大型トラックにある「謎の小部屋」がスゴい!? 運送業界を変える「秘密のスペース」の正体とは 実は知られていない「もはやホテル並み」な場所
大型トラックの運転席部分(キャビン)頭上に、謎の箱のようなものがありますが、一体どのような役割があるのでしょうか。
運転席の上にある「謎の部屋」って
大型トラックを見ると、運転席部分(キャビン)の頭上に、謎の箱のようなものがあります。
この箱は一体何のためにあるのでしょうか。

実はこのキャビンの上にあるものは「エアデフレクター」「ウインドデフレクター」などと呼ばれ、正式な目的は「空気抵抗を減少させる」というものです。
トラックの荷台は断面が四角形で垂直に立ち上がっているため、正面からの空気をまともに受けることになります。
すさまじい空気抵抗でスピードや燃費に影響があるため、前方を流線形に近づけるために、エアデフレクターが設置されているのです。
このエアデフレクター、キャビンと荷台の高低差を取り持つため、かなり大きなサイズとなっています。
せっかく大きいサイズならば、その内部に人が入れるだろう、ということで、実はエアデフレクターは「小部屋」になっていることが多いのです。
まさに「屋根上の秘密の小部屋」となっているこの部分は、運転席と直結しています。頭上のハッチを開けて、ハシゴで直接登れるようになっています。
ちょうど人が横になれるサイズなので、長距離ドライブをおこなうトラック運転手にとっては、貴重な仮眠スペースとして重宝しています。
もちろん、もともとトラックキャビンには、運転席の真後ろにある程度のスペースが確保されていて、物置きだけでなく仮眠用として活用できるようになっています。しかしエアデフレクターはそのオプション性から、仮眠や休憩に特化したさまざまな工夫があるといいます。
一例として、いすゞ製のトラックに搭載される「マキシルーフ」を見てみましょう。
内部サイズは縦198.5cm×幅102.5cm×高さ86.5cmで、大柄な人でも十分横になれるスペースです。もちろん起き上がって食事や着替えなどをするにも、十分な高さだといえます。
居住性を高める設備も確保されていて、明かりやコンセント、カップホルダー、開閉可能なガラス窓があり、さらにオプションでエアコンを装備することも可能です。ここまでくるともう「家」とまではいかずとも、「カプセルホテル」とは決して負けずとも劣りません。
もちろん人によっては、キャビンの座席裏で眠るほうが落ち着くという場合もあるかもしれません。そうしたドライバーは、「小部屋」内は食べ物や着替え、仕事道具などの「物置き」へ活用しているようです。
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各業界での「働き方改革」が法制化され、トラック運送業界でも連続労働時間をはじめ労働環境がしっかりと規制されることとなりました。
数十時間レベルの運転を必要とするトラック業界では、「複数名でトラック乗り継ぎ」「複数トラックでの積み替え輸送」のほか、「仮眠や休憩を繰り返して目的地へ向かう」という運送体制が必要となりました。
SA/PAに宿泊施設が併設されるケースも増えていますが、トラック本体にも、宿泊環境をさらに良くする技術開発が進んでいます。
トラックの運転席は一般にキャブと呼んで居る。当然キャビンを略した呼び方だが、従来のキャブは、シートの後方にちょっと横に成れるスペースが有ったものだ。当時でも、お二階BOXは存在したが、簡易的に横に成れるスペースが有る事から、あまり流行することは無かった。時代は変わって、このところの法規改正などの際に、積載容積の拡大の為、運転席の長さを削った”ショートキャブ”と呼ばれる形のものがSTDに成って行く(OPTで従来型のベッド付きキャブも選択可能(車型に拠り選択できない場合も有る))。シートをある程度倒せる事は出来るものの、その角度は限定的で、仮眠をとる際はやっぱり横に成りたいものだ。そこで、キャブのお二階BOXが再注目されることに成る。以前は、運転席内をある程度整理し、キャブ内をフルフラットにするなり、後部簡易ベットに横に成るなりして居たのであるが、お二階BOXでは、そのまま移動するだけで自分だけの個室に籠ることが出来る様に成る。長距離運行の車両に待遇改善の意味も有り、その装備を搭載することが流行しない訳は無かろう。ちなみに、車両運行中にお二階BOXで寝ると、モーメントの関係でかなり揺れる事が多く、車酔いし易い場合が有るので注意が必要だ(何事も、慣れ、です)。