「まだ後席シートベルト未着用!?」一般道では約半数に上る 事故時の「致死率」は“約3倍”とのデータも! JAFと警察庁が着用率の全国調査結果を公表

警察庁とJAF(日本自動車連盟)は先日、合同で実施した「シートベルト着用状況全国調査」の結果を公表しました。後部座席のシートベルト着用率は運転席や助手席と比較すると依然として低く、各ドライバーが気をつけていく必要があります。

一般道路における後部座席の着用率は45.8%!「検挙されない」と誤った認識も

 警察庁とJAF(日本自動車連盟)は2026年2月16日、合同で実施した「シートベルト着用状況全国調査」の結果を公表しました。

 これは2025年10月6日~11月7日までの間に、全国の一般道路(781か所)と高速道路(104か所)で運転席と助手席、後部座席におけるそれぞれのシートベルト着用率を調べたものです。

 同調査によると、一般道路と高速道路でのシートベルト着用率は以下のようになりました。

●一般道路

・運転席 30万6329人のうち30万3638人が着用(着用率99.1%)
・助手席 3万9422人のうち3万8060人が着用(着用率96.5%)
・後部座席 5万6401人のうち2万5816人が着用(着用率45.8%)

●高速道路

・運転席 5万5682人のうち5万5468人が着用(着用率99.6%)
・助手席 1万9521人のうち1万9287人が着用(着用率98.8%)
・後部座席 1万3807人のうち1万1037人が着用(着用率79.9%)

全席シートベルトを着用しましょう!(画像はイメージ、PhotoAC)
全席シートベルトを着用しましょう!(画像はイメージ、PhotoAC)

 上記の結果をふまえると、運転席や助手席は着用率が100%に近く、特にシートベルトを着用していないと重大な事故につながりやすい高速道路では、一般道路よりも着用率が高い傾向にあることがうかがえます。

 その一方で、後部座席の着用率は運転席や助手席と比べて低く、一般道路では約半数(45.8%)の人が後部座席でシートベルトを着用していません。

 道路交通法第71条の3によると、病気やケガなどのやむを得ない理由がある場合を除き、運転者自身がシートベルトを着用するとともに、助手席や後部座席の同乗者にもシートベルトを着用させる義務があります。

 つまりシートベルトは全席着用義務があり、仮に後部座席でシートベルトを着用していない人がいれば“運転者”が「座席ベルト装着義務違反」に問われます。

一般道路における着用率の推移(「シートベルト着用状況全国調査結果2025年」画像/JAF)
一般道路における着用率の推移(「シートベルト着用状況全国調査結果2025年」画像/JAF)

 ただし、後部座席のシートベルト未着用によって運転者に違反点数1点(反則金なし)が加算されるのは高速道路または自動車専用道路で走行中のケースのみであり、一般道路において後部座席の人がシートベルトを着用していなかった場合は、警察官による口頭注意がおこなわれます。

 これは、今のところ一般道路における後部座席のシートベルト未着用について法令で罰則が定められていないためです。

 この影響もあってか、「後部座席の人がシートベルトをしていなくても運転者は検挙されない」という誤った認識を持つドライバーも散見されます。

 とはいえ、口頭注意で済むからといって一般道路で後部座席のシートベルトをしなくて良いというわけではありません。後部座席でシートベルトを着用していないと、交通事故の際に車内で全身を強打したり、車外に投げ出されたりする危険があります。

 実際のところ、警察庁の2020年~2024年までの統計によると、後部座席の人がシートベルト未着用の場合、一般道路では事故時の致死率がシートベルトを着用している人の約2.7倍になったほか、高速道路では致死率が約16.6倍にものぼることが明らかになっています。

 交通違反に当たることはもちろんですが、運転手は乗員の安全のためにシートベルトを必ず着用させるべきです。

※ ※ ※

 なお後部座席のシートベルト着用率を都道府県別にみると、一般道路では着用率が低い順に沖縄県の11.3%、高知県の29%、宮城県の31.1%、高速道路では沖縄県の52%、熊本県の66%、東京都の66.8%などという結果が出ています。

 今後は各個人がシートベルトの着用を心がけるとともに、都道府県警察では上記の結果をふまえた取り締まりや啓発活動をおこなっていくことが求められます。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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