全長4.2mで6速MT! レクサス「新型“小さな”スポーツカー」どんな人が買ってる? 304馬力「ターボ4WD」にクラス超え上質インテリアの「LBX RR」“輸入車好き富裕層”を刺激か
レクサスの新型コンパクト高級スポーツカー「LBX MORIZO RR」は、どのような人が購入しているのでしょうか。
SUV興味外のクルマ好きをも惹きつける「LBX MORIZO RR」
2024年7月18日にデビューした、レクサス最新コンパクトSUV「LBX」のハイパフォーマンスモデル「LBX MORIZO RR」。
決して声高ではないものの「タダ者ではない雰囲気」を全身から発しています。では、実際どのようなユーザーに支持されているのでしょうか。最新の納期なども含めて販売店に聞いてみました。
2024年1月開催に開催された「東京オートサロン2024」に出展され、反響を呼んだレクサス「LBX MORIZO RR」。
同年7月にデビューした際には、100台限定となる「LBX MORIZO RR“Bespoke Build”」といったスペシャルモデルも販売されたのです。
LBX MORIZO RRは、“モリゾウ”ことレクサスのマスタードライバーを務めるトヨタ自動車 豊田 章男会長や、現役レーシングドライバーである佐々木 雅弘選手も開発に携わり、非日常の高揚感を味わえるハイパフォーマンスカーとして企画されたモデルです。
LBXの開発ドライバーとしても参画した佐々木選手は「LBXのHEV(ハイブリッド)モデルがスニーカーだとすれば、MORIZO RRは身体を動かしたいときにも場所を選ばずに履ける、スパイクにもなれる運動靴のイメージ」と語っています。
カジュアルに乗れるクルマでありながら、ひとたびアクセルを踏み込めば、スポーツカー顔負けの走りを堪能できるのです。
LBX MORIZO RRのボディサイズは全長4190mm×全幅1840mm×全高1535mmと、全長はノーマルのLBXと変わらないものの、全幅が15mm拡大され、全高が10mm下げられています。
エンジンはハイパフォーマンスハッチバック「GRヤリス」に採用された1.6リッター直列3気筒インタークーラーターボエンジン「G16E-GTS」型を搭載。最高出力304馬力・最大トルク400Nmを発生します。
トランスミッションは8速ATに加えて、日本市場ではレクサス初となる6速iMTが設定される本格派。0-100km/hも5.2秒の俊足振りです(AT/MT共通)。
このほか、電子制御式フルタイム4WDおよびトルセンLSDの採用、ボディ溶接箇所アップやブレース追加などのボディ補強、大径ブレーキを備えます。
内装ではLBX MORIZO RR専用のシートが装備されるほか、トピックとして「Bespoke Build(注文生産)」といった、内装のトリムの表皮色やシートベルトおよびステッチの色の変更など、オーナーの趣向に応じて細かく設定できる点が挙げられます。
価格(消費税込)は8速AT、6速iMTともに、650万円です。
さりげなくもスペシャルなオーラを発するLBX MORIZO RR、果たしてどのようなユーザーに支持されているのでしょうか。首都圏にあるレクサスディーラーのスタッフは以下のように話します。
「すでに何台もクルマをお持ちであり、そのほとんどが輸入車で、『これが初めてのレクサス』というお客様が多い印象です。
ご自宅のガレージにはフェラーリやマクラーレン、ポルシェなどの高級車がずらりと並び、奥さま用として…という“口実”でLBX MORIZO RRを選ばれたという方もいらっしゃいました。
『本当はMTが欲しいけれど、奧さんが運転したり、普段乗りを考えるとATかなあ』と、ATを選ばれるお客様がほとんどですね」
また、別のレクサスディーラーではこんなエピソードも聞くことができました。
「ポルシェ『マカン』やメルセデス・ベンツ『GLB』、BMW『X3』、アウディ『Q5』など(のミディアムSUV)にお乗りのお客様で、輸入車は好きだけれど故障や維持費が心配…ということで、初回または2回目の車検のタイミングで乗り換えを検討していらっしゃる方が多い印象を受けますね。
駐車スペースや、奥さまが運転されるので、あまり大きなクルマは選べない。複数台所有は難しいので、1台で可能な限りハイスペックで、さらにはオールラウンダーな1台を選びたい、というこだわり派のお客様にもご支持いただいています」
こうしたプレミアムなモデルを乗り継いだ人がいる一方で、実は若年層からの支持も受けているといいます。
「20代のお客様で、今は独身だけど、結婚して子どもが生まれても使えるスペシャルモデルを探していたところ、LBX MORIZO RRの存在を知り、貯めてきた貯金の一部を頭金にあててご契約されたという方もいらっしゃいました。
皆さま一様に、『こんなモデルは今後2度と出ないかもしれないから、新車が買えるうちに手に入れておく』といった熱量が高いお客様が多いです」
GRヤリスや「GRカローラ」など、10年後、20年後も確実に語り継がれるであろうスペシャルモデルの発売が相次いでいますが、LBX MORIZO RRもそのカテゴリーに属すると本能的に察したクルマ好きが多いのでしょう。
確かに、手が届くのであれば、新車のうちに何とか手に入れておきたい。クルマ好きであれば、それほどの魅力がつまったモデルであることは間違いありません。
なお、納期については10ヶ月から1年ほどと、少しだけ「待ち」が発生しています。スペシャルモデルなだけに、最新情報の入手につとめ、検討しているならば買えるうちに買っておいたほうがいいかもしれません。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。
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