“スバルエンジン”搭載の「スーパーカー」!? 「インプレッサの心臓」詰まった「ポルシェ」! ド迫力ボディの「911 GT3 STI」とは
来る2024年11月5日から8日までアメリカでカスタムカーの祭典「SEMA SHOW 2024」が開催予定ですが、2022年に行われた「SEMAショー2022」には、「ENEOS Porsche 911 GT3 STI」が出品されていました。どのようなモデルなのでしょうか。
スバル製エンジン搭載のポルシェ「911」
毎回、さまざまなチューニングカーやカスタマイズカーが登場するSEMAショーは、「世界最大級のカスタムカーショー」とも称されます。
2022年に開催されたSEMAショーにも多くの注目すべきカスタムカーが展示されていましたが、中でもひと際注目を集めたのが「ENEOS Porsche 911 GT3 STI」と名付けられた1台でした。
ガソリンスタンドのブランドとしても知られるENEOSの米国法人が出展したこのモデルは、見ての通りポルシェ「911 GT3」(2007年モデル)がベースとなったもの。
ただし、なぜかボディカラーはスバルのWRカーでもおなじみの「WRブルー」に近いカラーを纏っており、ロゴやアクセントラインもイエローに統一。さらに車名にはスバルのメーカー系チューニングブランドの「STI(Subaru Tecnica International)」の名前が含まれているのです。
その理由はリアに搭載されたパワートレインにあり、本来であれば水平対向6気筒3.6リッターのエンジンが搭載されるところに、スバル「インプレッサSTI(北米仕様)」に搭載される水平対向4気筒2.5リッターターボエンジン「EJ25」型が搭載されていたのです。
このカスタムカーのベースとなった911 GT3は、事故によって大破してしまったものだったのですが、GT3ということもあってエンジンやミッションはコレクターが確保し、不要となったボディのみが使われています。
そのため、新たなパワートレインとしてスバルのEJ25型エンジンがチョイスされたというワケだったのです。
もちろんただ単に水平対向エンジンだから選ばれたということではなく、チューニングとの親和性の高いEJ型エンジンは、少ない手数でもともと搭載されていたエンジン以上のパワーを手にすることができます。
さらにはパワートレインの総重量がポルシェのものよりも大幅に軽量であったことで、より高いポテンシャルを発揮できると見込んでのことでした。
結局インプレッサSTIの6速トランスミッションと共に換装されたEJ25型エンジンは、ボルグワーナー製のターボや大容量インタークーラーなどを採用することで最高出力550HPを実現しています。
エクステリアはイギリスのVADデザインの「GT3Rボディキット」を装着し、ボディカラーは前述の通りスバルのWRカーをイメージしたブルーとイエローのロゴの組み合わせ。
ただアクセントラインの入れ方はポルシェのザルツブルクのものをイメージしているほか、ホイールには往年のポルシェ「917」に着想を得たROTIFORMブランドの917を装着しつつ、カラーはゴールドとすることでスバル感も演出するなど、双方のブランドへのリスペクトも忘れていない点も見逃せません。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。