ホンダの「MRスポーツ“コンパクト”」!? 400馬力超え「直4」&4.2m級ボディ採用! アンダー900kgの“めちゃ軽量モデル”「スポーツVGT」とは
「こんなクルマがあったなら欲しい!」とクルマ好きが唸るほどに理想的なスポーツカーがホンダ「スポーツ ビジョン グランツーリスモ」。ゲームの世界のスポーツカーではもったいないと言われる、その理由を探ります。
ホンダ「スポーツVGT」って何?
ソニー・コンピュータエンタテインメント(当時)の家庭用ゲーム機「Play Station」用のソフトとして「グランツーリスモ」が誕生したのは1997年。
それまでもクルマを操縦するゲームは数多く存在しましたが、いかにもゲームという色合いや現実離れの動きをするソフトが主流でした。
しかしグランツーリスモでは、Play Stationが秘める高い性能を活かし、クルマのリアルな色合いや挙動を再現。従来よりもはるかにリアルなドライビングシミュレーターとして大人気となりました。
その後もPlay Stationの進化に伴い、グランツーリスモも発展。次々と機能を増やし、グラフィックもますます美麗に。現在はPlay Station 5用に「グランツーリスモ7」が発売されており、多くの人をとりこにしています。
そして2013年には、グランツーリスモ発案者である山内一典氏が「みなさんが考えるグランツーリスモをデザインしてほしい」と投げかけたことから、ゲーム内を走る架空のクルマを実在メーカーが製作するプロジェクト「ビジョン グランツーリスモ(Vision Gran Turismo=VGT)」がスタート。
自動車メーカー・ブランドのみならず、ブルガリやナイキなどのファッションブランドといった他業種も参加を行なっており、2024年現在では35種以上の「VGT」が登場しています。
VGTはもはや単なるゲーム用のクルマではなく、各メーカーにとって未来のクルマを示唆するほど重要な存在となっており、実寸のスケールモデル「リアルVGT」をショーの花形として展示することも少なくありません。
そんなVGTシリーズの中でもホンダのVGTは、ゲームの中だけではもったいないほど理想的なスポーツカー。
日本のメーカーでは、トヨタ(レクサス含む)、日産(インフィニティ含む)、ホンダ、三菱、マツダ、スバル、スズキ、ダイハツなど主要各社がVGTを発表しています。
そのひとつが、ホンダが2017年に発表した「ホンダ スポーツ ビジョン グランツーリスモ」です。架空で自由に作れるがゆえに「壮大な夢」的なVGTも見られる中、妙に身近で、実現性が高いリアルなVGTとして注目を集めました。
ホンダ スポーツ ビジョン グランツーリスモは全長4255mm×全幅1845mmのコンパクトなボディを持つ2シーターミッドシップスポーツカーで、410PS/7500rpmを発生する2リッターVTECエンジンと8速デュアルクラッチトランスミッションをミッドに搭載。ボディにカーボンを使用したことで車重はわずか899kgしかない…と想定されています。
グローバルにデザインコンペを行って生まれたというデザインは、一部にコンセプトカー的な要素が見られるものの、市販用のモディファイを施せば市販できるような完成度の高さを誇っています。
乗員やエンジン、タイヤの配置といったクルマの骨格・パッケージには、ホンダの基本理念である「人間を中心とした考え方=Human Center Design」を反映。
躍動感と力強さ、美しさを兼ね備えたエクステリアデザインは、同社のスポーツカー「S660」や「NSX(2代目)」に通じたディティールも散見され、「ホンダ スポーツ」の名前と伝統を受け継いだ一台であることを強く感じさせます。
非円形のステアリングホイールが目を引くインテリアでは、左・右ハンドルどちらでも生産しやすいような左右対象のダッシュボード、使い勝手も考慮されたコンソールの空調・シフトボタンなど、各部のデザインも徹底して作り込まれています。
さらに驚くべきことに、ホンダ スポーツ ビジョン グランツーリスモの製作にあたり、ホンダではコンピューター上の空力シミュレーション以外にも実際に風洞テストを実施。
ボディ、アンダーフロアだけでなく、室内からエンジンルーム内の流速、排気まで理想的な空力性能を追求。まさに実車と同じような開発が行なわれたといいます。
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「『面白いからやる』というホンダの企業風土が生み出した」というホンダ スポーツ ビジョン グランツーリスモ。
もし実際に発売されたら、ロータス「エリーゼ」やアルファロメオ「4C」、アルピーヌ「A110」のような「アンダー2リッターの純ガソリンエンジンを積む2シータースポーツカー」として、大いに話題となるのは間違いありません。
でません!