罰金“計180万円”!? 「“ニセ”ナンバー」で暴走行為! 課せられる「罪」の重さは想像以上! 偽装ナンバーの見分け方とは
車検切れのクルマに「“偽造”仮ナンバー」で公道走行は「罰金180万円」!?
違法ドリフト走行は、鶴見警察署 大黒ふ頭連絡所がある大黒PAの外周路(大黒橋通り)で行われています。
これを取り締まるのは神奈川県警 鶴見警察署の担当になります。同署に大黒ふ頭での違法ドリフト走行について聞いてみました。
担当者に対し「取り締まりはやっているのか」「テレビで放送された2台のクルマに模造品の仮ナンバーがついていたことは知っているのか」などを取材したところ、担当者は次のように話します。
「週末に限らずほぼ毎日、この場所でドリフトは行われています。
ドリフト走行は共同危険行為に該当します。担当するのは暴走族対策室で、通報がなくても取り締まりに出向いています。
番組で大黒PAの様子や周辺道路でのドリフト走行の様子が放送されたことは知っていますが、2台(180とチェイサー)のクルマについていた仮ナンバーが模造品だったことは知りませんでした」
ところで気になるのは、模造されたニセ仮ナンバーをつけて公道を走る行為の罰則です。
偽造ナンバーの使用は軽微な交通違反とは異なり、刑事事件として捜査を受けるレベルの犯罪です。
道路交通法に違反した場合、反則金と違反点数の加算が基本的な罰則ですが、道路運送車両法に違反した場合には、反則金を飛び越えて罰金が課されることとなるのです。
具体的には模造仮ナンバーを掲示して公道を走行すると、以下の罰則が科されます
●道路交通法違反(違反点数2点)
●道路運送車両法違反「第98条 不正使用等の禁止」第1項違反(3年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金)
また、映像を見ただけではわかりませんが、この2台はそもそもナンバーがついていない=車検が切れている可能性もあります。車検がないクルマを走らせることも重罪です。
さらに、車検がない=自賠責保険の有効期限も切れている可能性が極めて高いため、「無車検運行と無保険運行の両方に違反」していることになります。
もしこれら2つの違反をしていた場合違反点数は6点で、罰則は1年6ヵ月以下の懲役または80万円以下の罰金となり、免許停止の行政処分を受けることになります。
前述の偽装ナンバーへの違反と合わせると、罰金は合計で180万円以下となります。
なお、イベント出展時などの「身バレ防止」用として模造品の仮ナンバーを装着し、そのままうっかり走行してしまったケースも考えられます。
つまり車検は受けていて、普段の走行ではナンバープレートも表示していたとしても、封印受託者としての資格がない者が指定場所以外で封印を外すことは、道路運送車両法第11条違反となります。
これもなかなかの重罪で、違反点数2点、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられており、封印を外したままで走行すると、さらに罰則が加算されることになります。
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この“模造品仮ナンバープレート”は、筆者が取材用に購入した2021年夏頃まではいろいろな通販サイトで購入が可能でした。
しかし現在は、国内の各通販・オークションサイトなどにおいて、仮ナンバーを含む「模造品ナンバープレート」(5桁ナンバーなど明らかに偽物だとわかるものは除外)は出品禁止品に指定されており、購入することはできません。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。