トヨタ「スープラ」(国内初代) 時代とシンクロした出世魚、その目覚ましい進化とは(写真14枚)

トヨタ「スープラ」は、もともと海外輸出車の名前で、国内初代は海外だと3代目にあたります。しかしこの国内初代こそが、その後の「スープラ」を決定付ける、最も進化を遂げたモデルでした。

初代(国内)「スープラ」、誕生の背景

 復活が噂される、トヨタを代表するスポーツカーの「スープラ」。その歴史は、モデルを重ねるごとに、まるで出世魚のように飛躍的な進化を遂げてきました。その中でも「スープラ」の歴史を大きく変えたのが70型(1986〈昭和61〉年発売、国内初代)でした。

初代(国内)にあたる「スープラ」。1986年デビュー時の3.0GTターボ(画像:トヨタ)。

「スープラ」の歴史は、1978(昭和53)年まで遡ります。「セリカ」の上級スペシャルティカーの「セリカXX」として誕生、「セリカ」にはない6気筒エンジンと2代目「セリカ リフトバック」をベースとした専用ボディが与えられていました。北米で大成功を収めた初代「フェアレディZ」をターゲットとしたもので、より高いポテンシャルを秘めた新型車であることを示すべく、未知数を示すアルファベットのXを二つ重ね、「セリカXX」と命名。その輸出名が「スープラ」でした。

 1981(昭和56)年には2代目「セリカXX」に進化。上級スペシャルティカーの立ち位置は変わらないものの、高級GTである「ソアラ」の誕生をきっかけにキャラクターを変更。スポーツカーとしての色合いが強められました。

 ベースは、従来通りの手法を踏襲し、3代目「セリカ リフトバック」とするも、「セリカ」とは異なるリトラクタブルヘッドライトを持つフロントマスクやボディのワイド化などのカスタマイズを実施。「ソアラ」に近い車格を示すべく、最上級グレードには、「ソアラ」のトップグレードと同じ最新の2.8L直列6気筒DOHCエンジンを搭載。これによりトヨタを代表する高級スペシャルティカーの2枚看板が完成したのでした。とはいえ、専用設計車である「ソアラ」と格下の「セリカ」をベースとした「XX」では、走行性能を含め、埋められない素性の差があったのも事実でした。

 そこで次世代モデルは、名実ともに「ソアラ」に並ぶモデルへと成長させるべく、高性能スポーツカーとして開発。エンジンだけでなく、メカニズムやプラットフォームも「ソアラ」と共通化。車名も「セリカXX」から輸出名の「スープラ」に改め、1986(昭和61)年にデビューしました。

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