「アイコニックSP」再披露 さらに期待膨らむ

　マツダは2024年4月12日から3日間、幕張メッセ（千葉市美浜区）で開催の自動車イベント「AUTOMOBILE COUNCIL 2024」（オートモビルカウンシル2024）に出展しました。
　
　ブースでは、「MAZDA ICONIC SP（アイコニックSP）」も展示されています。

　アイコニックSPは、2ドアスポーツカーのコンセプトモデルです。2023年10月に開催された第1回「ジャパンモビリティショー2023」で世界初公開されました。

　アイコニックSPについてマツダは、「企業理念である『前向きに今日を生きる人の輪を広げる』を具現化し、人々の中にある『クルマが好き』という気持ちに応えた未来の提案」だと説明しています。

　もっとも大きな特徴はパワートレインで、マツダ独自のロータリーエンジン技術を用いたプラグインハイブリッド（PHEV）システム「2ローターRotary-EVシステム」を採用。最大出力は370馬力を発揮します。

　PHEVのため大容量のバッテリーを搭載しつつも、車両重量はわずか1450kgに抑えられ、エンジン搭載位置などを工夫し前後重量配分を50：50に近づけることで、高いハンドリング性能を実現しています。

　エクステリアでは、最新のマツダ車共通テーマ「魂動デザイン」を採用しましたが、各部にはマツダが販売していた往年のスポーツカーをオマージュしたとみられる特徴的なスタイリングを持ちます。

　ボディカラーは「ヴィオラ レッド」で、初代ロードスターの明度・彩度を上げたものだと言います。

　フロントはロータリーエンジンのコンパクトさを活かした低いノーズに、マツダ現行モデルに通ずるデザインとマツダの名車の要素が融合。ヘッドライトはリトラクタブル式を採用し、歴代「RX-7」や初代「ユーノス ロードスター」（NA型）などを想起させます。

　ボディサイドは、前後フェンダーが曲線的に盛り上がったラインとし、ドアやリアウインドウ周辺部などは、3代目RX-7（FD3S型）を思い出させる意匠が取り入れられています。

　リアは丸目4灯テールランプや横長のMAZDAエンブレムを装着し、シンプルに仕上げられています。

　ボディサイズは全長4180mm×全幅1850mm×全高1150mm、ホイールベース2590mmとコンパクトなサイズです。

　インテリアは藍染（あいぞめ）をテーマカラーに採用。スポーティなデザインと日本らしい美意識や上質さを両立しています。

　インパネはシンプルにまとめられましたが、ドアトリムなどの素材は植物由来のファブリックを用いることで、持続可能性にも配慮されています。

　アイコニックSPの初公開時、名車のDNAを感じるデザインやロータリーエンジンを搭載したという点で、多くのスポーツカーファンの間で話題になり、一部では「RX-7の再来」「ロータリースポーツカーの復活」などと言われました。

　その後、各地のモビリティショーにおいても登場し存在感を高めましたが、2024年1月開催の「東京オートサロン2024」において、マツダの代表取締役社長兼CEOの毛籠 勝弘氏はアイコニックSPの市販化を目指していることを明らかにしました。

　これに向けて、ロータリーエンジン開発グループを2月1日に発足させ、まずはエンジンの開発を進めていくなど段階的な取り組みを推し進めていく方針です。

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　今回のオートモビルカウンシル2024でのマツダブースのテーマは「ロータリースポーツカーコンセプトの歴史と未来」です。

　アイコニックSPのほかにロータリーエンジンを搭載した「RX500」「RX-EVOLV」の3モデルが登場し、過去から未来に至るまでのロータリーエンジンの系譜を辿ることができます。

　2023年1月には、発電用エンジンとして新開発のロータリーエンジンを搭載するコンパクトSUV「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」が登場するなど、一度歴史が途絶えていたロータリーエンジンに再び火が付きました。

　アイコニックSPの登場についても、ますます期待が高まっています。