新車で買えるの!? “44年も刷新なし”の超絶「レトロ顔・商用モデル」がスゴかった! なぜ長年ラインナップされ続けている?
30年前の「全面刷新モデル」もまさかの現役
1986年登場の3代目デリカ=2代目L300は、傾斜したスタイリッシュなフロントデザインが特徴です。
日本ではデリカスターワゴン4WDが大ヒットを飛ばしたのを覚えている人も多いのではないでしょうか。
3代目デリカ=2代目L300は、中国、韓国、フィリピンのほかに、台湾、ベネズエラなどでも作られました。
韓国ではヒュンダイがこの代のデリカをベースに「グレース/ポーター/H100」を開発しました。
台湾の中華汽車(CMC)では、幾度かの車名変更とフェイスリフトを行いながら(なんと最新モデルではダイナミックシールドデザインに発展)、現在も「D260/D270」として販売を続けています。
なお中華汽車では、南米向けに「ダッジ1000」として輸出を行なっていました。
一方、日本のデリカは、1994年に「スペースギア」のサブネームを持った4代目デリカ=L400にバトンタッチしています。
この代でも中国・台湾・フィリピンなどで生産が行われたほか、日本でも海外向けを2014年まで生産していました。
なお韓国ではヒュンダイ「スタレックス(初代)」のベースとなっています。中国では現在も東風柳州汽車において、フロントマスクを大幅に改変したうえ、「霊芝」「菱智」などと名付けて販売しているもようです。
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海外にて販売されていた三菱デリカを追いかけてみましたが、実際の遷移や経緯を追うと、さらに詳細に記述する必要があります。
そのため、すべて網羅するとたいへん複雑になってしまうので、駆け足にてのご紹介としました。
アジアや南米などでは、堅実な設計を保つ古めのモデルが愛用される傾向があり、1979年にデビューした2代目デリカや、1986年登場の3代目デリカが、海外では時代に応じたエンジンや外観のアップデートを行いながら、いまだに生産が続いているのはとても興味深いところです。
各国で活躍するデリカは、それぞれの国の発展を支えてきました。今後もL300をベースにしたクルマたちの躍進に期待したいと思います。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。
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