クルマの“真ん中”にある「謎の穴」どんな機能? 「シガーソケット」はもう古い!? 優秀な給電装置の「名前」とは

インパネまわりやセンターコンソール内などに設置されている“謎の穴”。これはアクセサリーソケットという装備で、かつてはシガーソケットと言われていたものです。どのようなものなのでしょうか。

シガーソケットはもう古い? アクセサリーソケットとは

 インパネまわりやセンターコンソール内などに設置されている「アクセサリーソケット」。目立たないところにあったり、フタがついていたりするので、その存在に気づかない人がいるかもしれませんが、ほとんどのクルマに搭載されている給電装置です。

 フタを開けると親指が入りそうな”穴”があり、それが電源口となって、12Vバッテリー(トラックなど大型車は24V)を活用した10Aくらいの直流電気を、対応している車載用電気製品に供給することができます。

もうシガーソケットって言わないの?
もうシガーソケットって言わないの?

 中高年層にとっては、アクセサリーソケットより、その前身、「シガーソケット」という名のほうが馴染み深いのではないでしょうか。

 シガーソケットの基本構造はアクセサリーソケットとほぼ同じ。特徴として耐熱構造になっており、かつて「電熱式のタバコ着火装置」(シガーライター)とセットで、どのクルマにも当たり前のように搭載されていました。

 1960年代、成人男性の平均喫煙率が80%超だったことを踏まえると、シガーソケットはまさに必需品で、電気製品にも給電できることから、非喫煙者にとってもそれなりの利便性を享受できました。

 シガーソケットはやがて喫煙者の減少を背景に、アクセサリーソケットへと切り替わっていきます。

 参考までにトヨタ「クラウン」を例にすると、シガーソケットがシガーライターとともに初めて採用されたのは、日本初の純国産乗用車として誕生してから3年後の1958年。そしてシガーライターの廃止とともにシガーソケット改めアクセサリーソケットになったのは2012年発売の14代目からです。

 同じ直流給電装置として最近は、充電用USBポートが標準搭載されるようになりました。ただ現状、その大半の出力は5V/1.5Aから3Aほどと”非力”。

 スマホなどに対応できる程度で、用途はかなり限定されます。一方、アクセサリーソケットは対応している車載用電気製品のバリエーションが豊富で、拡張性もあります。

 USBは規格とともに進化しており、給電能力の上限も引き上げられているので、今後、一段と利便性が向上するのは間違いありません。

 ただ車載用として普及させるには安全面やコストはもとより、消費電力の増大に伴う12Vバッテリーや発電機の負担などを勘案する必要があります。

 そのあたりが見直されない限り、アクセサリーソケットは当面搭載されていくのではないでしょうか。

【画像】「えっ…!」これが「謎の穴」の使い方です!画像で見る(12枚)

【2024年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー