9割も「左後輪」が外れるのはなぜ? 冬場に「脱輪事故」増加! 大型車で多発する要因は? 取るべき対策とは
大型車による車輪の脱落事故の多くで「左後輪」のタイヤが外れる事態となっていますが、なぜ「左後輪」の脱落が多いのでしょうか。
なぜ? 脱落したタイヤの90%以上が左後輪!
最近、大型トラックのタイヤが外れて周囲の人に当たり死傷する事故が相次いでいます。
大型車による車輪の脱落事故の多くで「左後輪」のタイヤが外れる事態となっていますが、なぜ「左後輪」の脱落が多いのでしょうか。
2023年11月30日、島根県浜田市の国道において走行中の大型トラックのタイヤが外れ、近くを歩いていた高齢男性に衝突し、ケガをする事故が発生しました。
また12月1日には青森県八戸市の高速道路において大型トラックのタイヤ2本が外れ、道路脇で作業をしていた男性2人が死傷する事故も起きています。
国土交通省自動車局が2023年9月に公表した「令和4年度大型車の車輪脱落事故発生状況と傾向分析について」という資料によると、2022年度中に大型車の車輪脱落事故は140件発生し、そのうち12月から2月までの事故は79件と、冬季に集中しています。
これに関しては脱落事故のうち、1か月以内にタイヤ交換作業をおこなっていた割合が全体の約53%であり、冬用タイヤに履き替えた後のタイミングで事故が発生するため、冬季に事故件数が増えるものとみられます。
さらに脱落したタイヤ箇所については140件中132件が「左後輪」で、全体の約94%を占めています。
前述した島根県と青森県の事故においても左後輪が脱落していますが、一体なぜなのでしょうか。
まず考えられる原因として日本の交通・道路事情が挙げられます。
日本はクルマが左側通行であり、左折時には左後輪のタイヤがねじれる、また右折時には遠心力によって左側のタイヤに負荷がかかるといった状況があります。
加えて、日本の道路は一般的に雨水などを道路脇に排出するため道路の中央部分が高く、クルマから向かって左側が下がっていく構造になっており、左側のタイヤに負荷がかかることも影響しているとみられます。
そして、大型車に使われるホイール(車輪の金属部分)の規格が日本特有の「JIS方式」から、国際規格の「新・ISO方式」に変わったことを脱落の原因として指摘する声もあります。
そもそも新・ISO方式のホイールは取付け作業がしやすい、世界基準になっているなどの理由で2009年の排出ガス規制適合車から全面採用されました。
JIS方式は左車輪のボルト・ナットが左ネジ(左に回すと締まるネジ)、右車輪が右ネジであるのに対し、新・ISO方式では左右の車輪ともに右ネジが使われています。
タイヤは基本的に前進方向、つまり左回りに回転することが多く、新・ISO方式の右ネジの場合はナットが緩む方向に力が働くため、脱落の原因のひとつとして推測されています。
また2020年度の大型車の車輪脱落事故131件のうち、ISO方式が120件(残り11件はJIS方式)と事故件数全体の約91.6%を占めており、ホイール規格の変更が脱落に影響している可能性は否めません。
しかし、この結果に対しては「ホイール規格が変更となってから10年以上が経過し、ISO方式を採用するトラックが増加している以上、ISO方式の脱落が高い割合を占めるのは当然ではないか」との意見も上がっています。
国土交通省も、車輪の脱落に関してホイール規格が問題なのではなく、あくまで「タイヤ交換時の作業不備」や「タイヤ交換後の保守管理の不備」が原因であるというスタンスをとっています。
具体的には、タイヤ交換の際に規定の締付トルクで締め付けられていないことや、ホイールのボルト・ナットの錆、ゴミなどの清掃が不十分であること、またタイヤ装着後の増し締め・ボルトの緩みの点検がおこなわれていないことなどについて指摘しています。
特にネジ・ナットに錆や細かい傷が付いている場合、走行中にこすれて隙間ができ、ねじが緩みやすくなる「初期なじみ」が発生しやすいため、定期的にネジの増し締めをおこなうことが重要です。
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大型トラックの車輪の脱落についてはさまざまな要因が考えられますが、ホイール規格との因果関係は明らかになっていません。
これまでの統計ではタイヤ交換から1~2か月以内の脱落が多い傾向にあり、定期的な点検や増し締めが事故防止につながるといえるでしょう。
ホイールを脱着したら数十km程度走行後の初期馴染みが出た頃に、ホイールナットの締付を点検する。ナットが1つ緩んでしまえばISOでもJIS同じ事。重要なのは全てのナットが必要なトルクで均一に締付けられている事。今でも強く締付ければ良いと言って、インパクトレンチで本締めしている人達もいる。強く締付け過ぎると、ボルトが伸びてナットの緩みや、ボルトが折れる原因になる事を全くわかっていない。
ご指摘通りですが、数Km走行後増す締めは鉄則です。それとナットを締め付けすぎますと、まずアルミホホイ-ルは座屈起こします(ナットの当たり部分が凹む現象)なおボルトはすぐに塑性域(規定トルク以上絞めても伸びない領域に入ってしまい強度が落ちます)そうなると折れやすいので既定のトルク以上では絞めないことです。まず時々、増す締め点検することです
タイヤ交換した時に作業見ていると、おいおい・・・みたいに軽くナットを閉めるんだよね。危ないと思うからトルクレンチは常時車載積載してるんでその場で自分で締め直すのをわざと見せてやった。今は母親がとても性格の悪い人に全部やってしまってトルクレンチ持ってないけど・・・イエロー○ットとかオート○ックスとか危ないよ。知識が無いっぽい。タイヤ屋さんならトルクレンチで閉めてくれる所もある。
事が起きると何かと今までの変化点を弾及する傾向が有るが、そもそものISO方式が問題なら、その規格が作られた彼の地では事故起きまくりだと思うのだが、その点を全く顧みないで自己の認識だけで論じるのは危険だと思う。そもそもタイヤ交換せずに使用し続けて居る車両を差し置いて、タイヤ交換2月後にめっちゃ事故が多いなんてのは、言わずもがなだろう(それが構造が原因と何故言い切れるのか)。あと、取材が足りない様だが、かの国土交通省も原因はつかみ切れていないという事(原因は推測の域を出ない)。また、旧ISO(左ネジ有り)が有る点も記事にすべきポイントでは無いかと思うのだが、何故書かないのかな?!知らなかった?!