車の「エンジンオイル」 なぜ価格差がある? 「安いオイルは壊れる」って本当? 「車の血液」正しい交換サイクルとは
「高級オイルは交換不要」「安いオイルは壊れる」は本当?
では、洗浄作用の高いオイルは交換の必要はなく、長持ちするのでしょうか。
自動車整備工場に務める現役整備士に聞いたところ、以下のように説明します。
「エンジンオイルの種類にかかわらず、エンジンを始動して走行を重ねれば汚れることは避けられませんし、オイルも徐々に劣化し本来の性能を発揮できなくなります。
勘違いされやすいのですが、高くて良いオイルだからといって何万kmも無交換で良い、などということはあり得ません」

エンジンは常に高速で金属同士が擦れており、強い摩擦が発生します。これを和らげるのがエンジンオイルの役割であるため、どんな高性能オイルを使っても定期的な交換は必要になってきます。
高いオイルはどのようなメリットがあるのでしょうか。先出の整備士は以下のように話します。
「高性能オイルは100%合成された精製油であることが多く、レースなどでエンジンの高負荷・高回転が続く状況で、耐熱性能に優れていたり、オイル分子が細かいなどで耐摩耗性に強かったりなどの効果があります。
サーキット走行をする方や日常のドライビングで高回転型のエンジンを楽しみたいという方は、レスポンス向上などの効果を実感できるかもしれません」
高性能車ユーザーはエンジンオイルにこだわる人も多く、最大限の性能を発揮する状況などでは、オイルにより滑らかさやパワー感の違いを感じる人もいるといいます。
反対に、安いオイルは「エンジンが壊れる」などといわれることもあるようですが、実際にはどうなのでしょうか。
「安価なベースオイルを使用していることに加え添加剤も少なく、さらに大量生産を行っていることから、かなり安価なオイルも販売されています。
だからといって決して壊れるということはありません。
日常的なクルマの乗り方ですと、高級オイルをずっと無交換で乗ることの方が壊れやすく、『普通のオイルをこまめに交換』する方がクルマにとって優しいといえます」
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クルマの血液ともいわれるエンジンオイルは、様々な種類があり価格も異なっています。
価格が高いものは高品質であるといえますが、走行距離や使用期間に応じて劣化していくことは避けられません。
エンジントラブルや燃費の悪化を避けるためにも、定期的にオイル交換を行うことが大切です。
なお、高性能車や直噴エンジン車、リーンバーンエンジン車といった燃費や性能向上の機構が搭載されていたり、走行距離の進んだクルマや経年車などではそれぞれ適したエンジンオイルがあるため、整備工場や販売店に一度聞いてみても良いかもしれません。





















