車の「エンジンオイル」 なぜ価格差がある? 「安いオイルは壊れる」って本当? 「車の血液」正しい交換サイクルとは

「高級オイルは交換不要」「安いオイルは壊れる」は本当?

 では、洗浄作用の高いオイルは交換の必要はなく、長持ちするのでしょうか。

 自動車整備工場に務める現役整備士に聞いたところ、以下のように説明します。

「エンジンオイルの種類にかかわらず、エンジンを始動して走行を重ねれば汚れることは避けられませんし、オイルも徐々に劣化し本来の性能を発揮できなくなります。

 勘違いされやすいのですが、高くて良いオイルだからといって何万kmも無交換で良い、などということはあり得ません」

定期的に交換していれば30年ほど経過したエンジンもこのようにキレイに保てる
定期的に交換していれば30年ほど経過したエンジンもこのようにキレイに保てる

 エンジンは常に高速で金属同士が擦れており、強い摩擦が発生します。これを和らげるのがエンジンオイルの役割であるため、どんな高性能オイルを使っても定期的な交換は必要になってきます。

 高いオイルはどのようなメリットがあるのでしょうか。先出の整備士は以下のように話します。

「高性能オイルは100%合成された精製油であることが多く、レースなどでエンジンの高負荷・高回転が続く状況で、耐熱性能に優れていたり、オイル分子が細かいなどで耐摩耗性に強かったりなどの効果があります。

 サーキット走行をする方や日常のドライビングで高回転型のエンジンを楽しみたいという方は、レスポンス向上などの効果を実感できるかもしれません」

 高性能車ユーザーはエンジンオイルにこだわる人も多く、最大限の性能を発揮する状況などでは、オイルにより滑らかさやパワー感の違いを感じる人もいるといいます。

 反対に、安いオイルは「エンジンが壊れる」などといわれることもあるようですが、実際にはどうなのでしょうか。

「安価なベースオイルを使用していることに加え添加剤も少なく、さらに大量生産を行っていることから、かなり安価なオイルも販売されています。

 だからといって決して壊れるということはありません。

 日常的なクルマの乗り方ですと、高級オイルをずっと無交換で乗ることの方が壊れやすく、『普通のオイルをこまめに交換』する方がクルマにとって優しいといえます」

※ ※ ※

 クルマの血液ともいわれるエンジンオイルは、様々な種類があり価格も異なっています。

 価格が高いものは高品質であるといえますが、走行距離や使用期間に応じて劣化していくことは避けられません。

 エンジントラブルや燃費の悪化を避けるためにも、定期的にオイル交換を行うことが大切です。

 なお、高性能車や直噴エンジン車、リーンバーンエンジン車といった燃費や性能向上の機構が搭載されていたり、走行距離の進んだクルマや経年車などではそれぞれ適したエンジンオイルがあるため、整備工場や販売店に一度聞いてみても良いかもしれません。

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6件のコメント

  1. 安いかどうか以前に適正なスペックなのかどうかの方が問題なのでは?

    • オイル交換は車検に出してる整備工場のオススメ品を定期的に交換にしている。
      それが一番安全です。
      ディーラーは専用オイルだし、趣味の車は有名な専門店だから間違いない。
      色々やって失敗してエンジンオーバーホールしたりは普通にしましたが年取ってくるとディーラーで整備してもらって洗車もしてくれるからコーヒー飲みながら待ってます。
      ぶっちゃけて言うと信用出来る店ならば安くても高くてもイイよ。
      フェラーリのオイル交換なんて16リッターなのでペール缶丸ごと使うレベルだし気軽に頼む事じゃ無い。
      逆に専門のクラシックカー屋さんは遊びに行ったから交換しようレベルで気軽に考え無しで交換で大丈夫。
      作業事態は完璧何だけとリフトアップ不要な車で簡単にだから気が向いたらで良い。大体、オーナーの方が神経質だから定期整備より交換タイミングが早いから適当で大丈夫らしい。

  2. 安いかどうか以前に適正なスペックなのかどうかの方が問題なのでは?

  3. エンジンオイルはメーカー指示では15000キロまたは1年で交換となっているが整備業者は3000または5000キロでの交換が必須という。しかしその他の消耗品、例えば冷却水などの場合整備業者でもメーカーの指示通り交換で構わないと言われる。
    しかし双方に根拠を聞いても明確な答えが帰ってきたためしがない。早く交換しないとすぐ故障すると言われることはあるけど。
    一体メーカーの指示がズボラなのか、整備業者が早期の交換を従来からの習慣だけでただ煽っているのだけなのか、一体どっちなのだろうか?
    ちなみにオイルは純正品、最低週1でチェックはしています。

    • 分かりやすく言うと、快適に使用できると使用できるとの違いかな。
      10000kmは守れば故障しにくいと言っているだけで劣化するからフィーリングは良くない。 
      分かればの話だがw

  4. バイクで色々なオイルを試していて安いオイルで壊れました
    某有名オイルメーカー製でした。そのメーカーの高級オイルは問題なかったのですが低価格オイルを試して1000km弱でエンジンが止まりました。当然粘度は純正指定です
    エンジンとの相性など色々な要素があると思いますが、安いオイルはやはりそれなりの性能なんだと考えています

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