トヨタ「bB」が復活!? 箱型「ワル系」コンパクトワゴンに期待大! ロング版仕様の追加も想定した新型「カヨイバコ」の狙いとは
トヨタは「ジャパンモビリティショー2023」でコンセプトカー「KAYOIBAKO(カヨイバコ)」を世界初公開しました。市販化も期待されるミニマムなハコ型バンですが、開発の狙いについてデザイン担当者に話を聞きました。
全長4m以下なのに「ハイエース」よりも大きな荷室長を確保
トヨタは2023年10月28日に一般公開した第1回「ジャパンモビリティショー2023(JMS2023)」にコンセプトカー「KAYOIBAKO(カヨイバコ)」を世界初公開しました。
多用途に使えるハコ型モビリティのひとつとして「bBコンセプト」の名が提案され注目を集めていますが、開発者の狙いはどこにあるのでしょうか。
カヨイバコは、箱型ボディを持つコンパクトなバッテリーEV(BEV:電気自動車)コンセプトカーです。
トヨタでは「“好きなときに・好きな場所で・好きなことができる”モビリティの未来を実現するコンセプトモデル」だと説明します。
車名は、物流現場などで用いられ、拠点間を行き来しながら部品や製品を安全かつ効率的に運ぶ「通い箱(通函)」に由来します。
適切なサイズでムダがなく、箱の中敷きを生産現場ごとに変えることで様々なニーズに対応するさまを表しているといい、その考え方をコンセプトに織り込みながら、これからのモビリティのあり方を表現しています。
ボディサイズは、全長3990mm×全幅1790mm×全高1855mm、ホイールベース2800mm。
非常にミニマムなサイズのなかにすべてをギュッと詰め込んだような、独特なスタイルが特徴です。
コンパクトカー「ヤリス」(全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mm)とほとんど変わらない短い全長ですが、荷室長は助手席側で最大3127mmも確保されています。
これは全長4695mmのワンボックス型商用バン「ハイエース」の荷室長3000mmを超える大きさを誇ります。
このように高効率なパッケージングを実現できたのは、BEV専用プラットフォームを最大限活用した結果です。
カヨイバコのデザインやパッケージングをとりまとめた担当者は、開発の経緯について次のように話します。
「2021年12月に開催された『バッテリーEV戦略に関する説明会』で、トヨタが考えるバッテリーEVラインナップを一斉に発表した際、10数台並んだBEVのなかにあった小さなグリーンのクルマが、カヨイバコの原点です」
「Mid Box」と名付けられたグリーンの小型BEVがアップデートし、今回のカヨイバコにつながったといいます。
「全高については、Mid Boxより若干低く抑えています。ボディサイズも発表後に2度3度、いや4度くらい検討し直しながら、今のちょうど良いサイズ感に落ち着いています」
そもそも、カヨイバコを発想した原点はどこにあるのでしょう。
「ライフスタイルの変化にともない、副業や兼業が広がるだろうという将来予測があり、そうした背景からプロジェクトは始まっています。
昼間はクルマで仕事をし、夜はそのクルマを遊びに使う。そうした二刀流の使い方が考えられました。
まず商用車としての機能を追求したものからコンセプトを拡大し、プライベートでも楽しめるという面白味がありました。ここまではMid Boxの時点ですでに検討を初めています」
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