商用車の絶対王者「ハイエース」なぜ大人気? 次期型は4ナンバー継続か!? トヨタの「商用バン」が魅力的すぎる訳
トヨタ「ハイエース」は、商用車全体のシェアの8割を占めるほどの人気を誇ります。一体どのようなところが支持されているのでしょうか。
ハイエースの人気は圧倒的! なぜ?
街中で頻繁に見かけるクルマとして、トヨタのワンボックス商用バン「ハイエース」が挙げられるでしょう。小型/普通車サイズの商用バンは、日本で毎年10万台前後が売られていますが、その内の約80%、つまり8万台くらいをハイエースが占めます。
1年間に約8万台、1か月あたりでは6000台から7000台と販売規模はかなり多いです。乗用車であれば、トヨタ「ライズ」や「ルーミー」に相当します。
また軽商用バンの売れ行きは、最も多いダイハツ「アトレー/ハイゼットカーゴ」が1か月に約7100台、スズキ「エブリイバン」が約5200台ですから、ハイエースは商用バン全体で見ても好調に売られています。
ハイエースのライバル車は日産「キャラバン」で、最近は商品改良によってシェアを徐々に増やしています。それでも依然として、小型/普通車の商用バンはハイエースが80%を占めており、キャラバンが対抗するのは難しい状況です。
では、なぜハイエースが大人気なのでしょうか。その背景には複数の理由があります。
ハイエースの歴史を振り返ると、初代モデルが1967年に発売されたハイエースは、海外市場も視野に入れて商品力を高めていました。
いっぽう、ライバル車のキャラバンは1973年に登場。しかし1980年代に入ると、ユーザーから「ボディが弱い」という欠点を指摘されていました。
例えば1輪だけを歩道の上に乗せて、スライドドアを開いて荷物の積み降ろしをした場合、「キャラバンはボディがよじれてスライドドアが閉まらなくなることがある」というのです。
平らな場所に移して時間が経過すれば、元に戻りますが、仕事の効率は悪化します。その点で「ハイエースは丈夫」と評判になり、キャラバンとの差を広げ、シェアを拡大しました。
もちろん現行型のキャラバンでは、ボディの弱さは完全に払拭されていますが、仕事で使う商用バンでは特に耐久性が重視されます。
今の小型/普通車サイズの売れ筋商用バンは、実質的にハイエースとキャラバンの二者択一ですから、多くのユーザーがハイエースを選んでおり、「商用バンといえばハイエース」という状況になると、人気がますます高まります。
初めて商用バンを買う人も「ハイエースにしておけば間違いない」と考えるためです。
さらにハイエースの保有台数が増えると、外観のドレスアップを始めとするアフターパーツも積極的に開発され、「ドレスアップを楽しみたいから、乗用車のミニバンではなくハイエースを選ぶ」ユーザーも増えました。
この点は日産も気付いており、アフターパーツメーカーと連携して開発を行っていますが、なかなか差は縮まりません。アフターパーツの販売効率を考えると、やはり保有台数の多いハイエースに力を入れるでしょう。
この点についてトヨタの開発者は以下のように述べています。
「ハイエースのお客さまのうち、純粋に荷物の運搬だけに使っているのはおそらく40%程度でしょう。残りの60%のお客さまは、平日は仕事に使いながら休日はレジャーを楽しんだり、あるいは仕事には使わず、バイクや自転車を積むなどレジャー専用のクルマとしています。
そのためにハイエースのグレードでは、内外装の質感を高めて装備をミニバン並みに充実させた『スーパーGL』が人気です。
またレジャーの目的に応じて選べる豊富なアフターパーツも重要で、ハイエースの人気を押し上げています。ありがたいことだと思います」
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