なぜ新車の「納車式」はやるのか? 「恥ずかしいから不要」の声も!? ディーラー側の本音は?

新車が納車されるとき、購入した販売店によってはノベルティなどが用意されることがあります。「納車式」と呼ばれるものですが、この儀式はどのように捉えられているのでしょうか。

「納車式」やる・やらないは店舗の判断だった

 クルマを購入し、新しい車両が手渡される「納車」では、自らディーラーに引き取りに行くという人が多いのではないでしょうか。
 
 そんななか、販売店によってはノベルティを贈呈されたり、何人ものスタッフが立ち合う「納車式」がおこなわれることがあるようです。
 
 納車式とはどのようなものなのでしょうか。また、なぜおこなわれることがあるのでしょうか。

「納車式」ってどんなもの?
「納車式」ってどんなもの?

 通常、新車の納車(引き渡し時)の際は、クルマの操作の説明はもちろん、ナビやオーディオ、エアコンなど各種装備の操作方法や、ボンネットの開け方など、セールス担当がひと通り教えてくれます。近年はとくにADAS(先進運転支援機能)の説明に多くの時間を割いているといいます。

 そのうえで、「大きなキー」を手にして愛車やセールス担当と記念撮影したり、粗品や花束が贈られたりすることもあるようです。なかには納車客専用に整備されたブースを用意するディーラーも見られます。

 納車式をおこなってもらって「嬉しい」と感じる人もいれば、「気恥ずかしい」「早くクルマに乗りたい」から不要という意見もあるなど、人によってとらえ方はさまざま。なかには、車両価格が高額になるほどに、派手な納車式を行う傾向にあるという話も聞かれます。

 しかし納車式の内容として、これという定義はないといいます。高級車メーカーのセールスとして勤務していた経験があるS氏に聞いてみました。

「自分の営業成績の結果となることから納車式を重視する人もいますが、本音を言えば(セールス担当だった時代でも)お客さまもディーラー側も本当に必要だと思っていないことはわかっていました。それでも行うのは、通例みたいなものでした。

 また、私が扱っていた車種が高級だったこと、購入者も経済的に成功している人が多かったこともあり、今後継続してもディーラーを活用してもらうために、何かと理由をつけて付帯サービスで気を引きたいという狙いはありました」

 最近では、軽自動車でも納車式をおこなうディーラーもあるそうですが、これも顧客囲い込み戦略のひとつ。「お客さまは神様です」といった気持ちが働いているケースも多いのだそうです。

「私が勤務していた時の話ですので、今は変わっているかもしれませんが、そもそもクルマを製造するメーカーと、実際に販売する販社では考え方も違います。

 そして納車式は、販社の支店となる販売店ごとで対応できることが違います。同じサービスが提供できないのであれば、無理しなくても良いと考える店舗もあるでしょう」(高級車メーカーの元セールス担当 S氏)

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