えっ、他の路線バスと違う!? 自動操舵すでに実現「バスと電車のいいとこ取り」の乗り物なぜ生まれた?
検討している「車両の今後」とは
こうしてゆとりーとラインは2001年3月23日に無事開業。市民の反応について聞くと「高架軌道区間では、信号交差点や踏切がなく道路渋滞の影響がないため、従来の路線バスに比べて大幅に所要時間が短縮され、大きな遅れも発生しないことから大変喜んでいただいたと認識しております」と回答をいただきました。
また、ガイドウェイバス導入に際して市バスが乗り入れることになり、名古屋市の敬老パス(市内在住で65歳以上の人が利用できる優遇パス)が使用可能となりました。この点も市民から好評を得ているようです。
筆者(鈴木伊玖馬)自身も愛知県が地元なので、ゆとりーとラインに乗ったこともありますが、交通量の多い名古屋市内を走行しているにもかかわらず、高架軌道区間なら定刻通り移動できるため、便利だった記憶があります。
また、名古屋市内を一望できる眺めの良さも魅力的な要素でした。見慣れた場所を通る時も、やはり高い所から見るとまた違った風情を楽しめます。

そんなガイドウェイバスの今後について尋ねたところ、担当者は次のようにコメントをしてくれました。
「現在のガイドウェイバスは、上記のとおりデュアルモード走行を行うために案内輪を折りたたむ必要があり、そのため床下にスペースが必要です。このような事情から、ノンステップバスを改造して床をかさ上げして、出入口はツーステップ構造となっています。
バリアフリーとしては、中扉にステップリフトを装備し、車いすをご利用のお客さまに対応しておりますが、足の不自由なお客さまやご高齢のお客さまにはご不便をおかけしております。
そのため、次期の車両更新時には車両の低床化を図るため、これまでのガイドウェイバスの構造を見直し、自動運転技術を用いた車両を導入できるよう検討を進めているところです」
名古屋市特有の交通機関であるガイドウェイバス。今後はより一層、地元に密着した乗り物になっていきそうです。
Writer: 鈴木伊玖馬
愛知県生まれ。飛行機が好きで航空博物館などを取材するうち、自動車関係の記事や取材も手がけるようになる。ホンダ「シビック Type R」のようなホットハッチが好み。













