1台4役!? トヨタ紡織とM-aidが医療用多目的ワンボックスカーの実証実験開始へ

トヨタ紡織とM-aidが、両社の持ち味を生かした医療用の多目的ワンボックスカー「MedaaS」の実証実験を行うと発表しました。従来の車両が役割ごとに専門的な車両が必要なところ、今回開発した車両は1台で4役をこなすといいます。

1台で完結 マルチに活躍できる車両

 自動車の内装部品などを製造するトヨタ紡織は2023年8月28日、同社が開発したシートなどのレイアウトを自在にアレンジできる車室空間のシステムを、医療サービスに活用するための実証実験を行うと発表しました。医療分野の多様な課題への解決策のひとつの提案で、医療系IT企業M-aidと共同で行います。

トヨタ紡織とM-aidが実証実験を行う「MedaaS」
トヨタ紡織とM-aidが実証実験を行う「MedaaS」

 トヨタ紡織はこれまでMaaS(Mobility as a Service)に対応する車室空間の提案を進めており、シートや内装アイテムの脱着交換機能である「テイラードスペースシステム」などの開発を行ってきました。同社はその技術を活用して、M-aidと医療現場でのサービス空間の検討を行い、医療MaaS車両「MedaaS(Medical as a Service)」が開発されました。

 トヨタ紡織によると、現在、医療現場で使用されている車両は移送用、検診用など、車両ごとに用途が限定。今回開発された「MedaaS」は大型ワンボックスカーを使用しており、シートなどを自在にアレンジすることで、オンラインモード(オンライン診療や保健指導)、車いすモード、ベッドモード(聴診やエコー検査)、ベンチモードなど4つの形に転換が可能で、医療機関などのサービス提供者は、どのような場所でも、1台でニーズに合わせたさまざまな医療サービスの提供が可能となります。実証実験は、M-aidが実施する愛知県内の健康診断会場で、オンライン保健指導のサービスを活用して行うといいます。

 トヨタ紡織は車室空間の活用について、「医療サービス空間の提供だけでなく、行政サービスや移動販売サービス、エンターテイメント空間など、自在にアレンジできる車室空間の活用の場を広げていきます」としています。

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