目が…あった!? 「爆光」ヘッドライトで「極小」ヘッドライト可能に? 最近の車“デザイン自由度”あがった? 視認できなくなる日も近いか
クルマの印象を決定づける要素のひとつであるヘッドライト。最近では、技術の進歩が進み、薄さや小ささが際立つようになってきました。その結果、「いったいどれがヘッドライトなの?」というクルマも増えています。今回はヘッドライトの進化について考察します。
ヘッドライトどこ…?なクルマが増えてる?
クルマの印象を決定づける要素のひとつであるヘッドライト。最近では、技術の進歩が進み、薄さや小ささが際立つようになってきました。
その結果、「いったいどれがヘッドライトなの?」というクルマも増えています。今回はそんなクルマたちを集めてみました。
ヘッドライトは、前を照らすという役目以外に、夕暮れや夜間に、自車の位置を示すためにも重要なアイテム。
自動車黎明期のアセチレンランプから白熱電球、シールドビームからハロゲン、HID (High Intensity Discharge)、そしてLED(Light Emitting Diode)へと発展したヘッドライトは、まさにクルマの歴史とともに歩んできた重要なパーツのひとつであることは言うまでもありません。
そんなヘッドライトは、かつては前面でかなり大きな存在感を示していました。それは、「電球」を用いるヘッドライトでは配光するリフレクターが必須で、ヘッドライトを小さくするには限界があったためです。
そのため、格納式のヘッドライト以外では、ヘッドライトの位置に大きな違いはなく、見るからに「ヘッドライトはここ」とわかることが多かったのです。
しかし現在では、灯火類の形状が細かったり、二段式だったり、サイズが小さかったりと「いったいどれがヘッドライトなの?」と思わせるクルマが増えており、「どこが光るのだろう」と想像することも楽しめるほどになりました。
それを実現したのは、レンズがガラスから成形自由度の高い樹脂に変わったことと、リフレクターが不要でサイズを小さくできるLEDヘッドライトが普及したためです。
ヘッドライトが極小化したことで、デザイン・設計の自由度も大幅に増加。既存の発想にとらわれない、斬新な配置のフロントビューを持つクルマが続々と登場しています。
「そこが光るの!?」という二段式ヘッドライト
中でも、2010年に登場した日産「ジューク」は、ボンネットサイドのブーメラン型灯火+丸い灯火の二段式ライトという、今まで見たことがないようなフロントデザインで衝撃を与えました。
灯火の上側がヘッドライトで、下部は補助灯というそれまでの先入観により、ブーメラン型灯火部をヘッドライトと思いがちですが、実は下段の丸目がそれ、という意外性にも驚かされました。この意匠は、日本未導入の2代目にも踏襲されています。
二段式ライトといえば、シトロエンの「C3」「C4」「ベルランゴ」「C5X」など一連の現行車種も思い出されます。フロント中ほど左右に独立した灯火、上側のバー状グリル左右にも灯火を備えており、これらも「ヘッドライトどこ?」という配置です。
なお正解は、独立した灯火がヘッドライト。ひと目でシトロエンとわかる個性を発揮しています。
同様のデザインでは、トヨタ「ヴォクシー」、ベトナムの新興EVメーカー「ビンファスト」の「VF5」なども、ヘッドライトをフロントの中ほど左右に置いています。
衝撃度でいえば、BMW「7シリーズ」の二段式ライトも外せません。最高級セダンでありながら、上段にLEDデイタイムランニングライトとターンシグナルランプを、ヘッドライトを下段に置いた大胆なデザインは大きな話題に。
しかも下段のヘッドライトはブラックアウト気味の処理が行われており、エアインテークにも見えます。そのため、より一層「ヘッドライトどこ?」という印象を強くします。
このマスクは、同社のSUV「X7」でもマイナーチェンジ時に導入されましたが、現在のところ他の車種には波及する気配は見られません。ひょっとしてこの世代だけのデザインになるかもしれません。
このほか「ヘッドライトの位置がわかりづらい」二段式としては、トヨタ「ヴェルファイア」などでも見ることができます。
むしろ何もかもハリアー目にされてみんな同じで自由度無くなった