1000万円級! 全長5.3m超え「超豪華内装」採用! 三菱「最高級セダン」がスゴかった! 「ソファシート」にV8搭載の“激レアリムジン”とは

現在セダン車をラインナップしていない三菱ですが、かつてはトヨタ「センチュリー」や日産「プレジデント」と並ぶ最高級車を用意していました。

お値段「1000万円」! 悲運に終わった三菱「超激レアセダン」とは

 かつて乗用車はセダンが主流で、各社ともにベーシックなモデルからフラッグシップモデルまでさまざまなラインナップを展開していました。
 
 しかし、三菱から1000万円に迫る最高級モデルが短い間だけ販売されていたのはあまり知られていません。

わずか59台のみ生産! レアすぎる最高級車とは
わずか59台のみ生産! レアすぎる最高級車とは

 現在でこそ三菱はセダン車を販売していませんが、90年代では「デボネア」「ディアマンテ」「ギャラン(および兄弟車「アスパイア」)」「カリスマ」「エテルナ(および兄弟車「エメロード」)」「ランサー」など、多くのセダン車をラインナップしていました。

 そして1999年12月末に発表され、翌年2000年2月に発売されたのが「ディグニティ」でした。

 ディグニティは同時に発表された「プラウディア」のリムジンバージョンで、「国産車唯一の本格リムジン」だと当時三菱は説明していました。

 ボディサイズは全長5335mm×全幅1870mm×全高1485mm。プラウディアと比べ、全長は285mm長く全高も10mmアップさせ、そのうち伸ばした全長はほぼすべて後席の居住性に当てられました。

 パワートレインは当時三菱が推し進めていた直噴エンジン「GDI」を採用した4.5リッターV型8気筒エンジンを搭載。これに5速ATを組み合わせ、最高出力280PS・最大トルクは412Nmを発揮しました。

 一方で、駆動方式は大型セダンとしては珍しいFF(前輪駆動)方式を採用しています。

 エクステリアは「感動する高級」「威厳」を提唱し、押し出しの強いイメージをもたせたプラウディアよりもさらに幅広のフロントグリルを装備したほか、ボディの延長に伴いBピラーが極めて太くなっており、前後のサイドウインドウが分断された形になっています。

 ヘッドライトやホイールも専用デザインとなったほか、当時の高級セダンに多く設定されていたフェンダーミラーやボンネットマスコットを装着しています。

 インテリアは国産車最高の居住性を追求したといい、シート生地やトリム類に高級素材のジャガードモケットを多用。

 さらに、電動レッグサポート付きの専用「スーパーエグゼクティブシートシステム」を標準装備し、格納式ウッドテーブルやバイブレーション機能などをもたせました。

 また、前後左右席で独立して温度調整が可能なデュアルフルオートエアコンや、エアコン・オーディオなどのリモコンを組み込んだ大型センターアームレスト、テレビモニター付きタワー型フロアコンソールを装備し、快適性を大幅に高めています。

 なお、FFプラットフォームを採用したことで、FR(後輪駆動)車では車室への出っ張りが顕著となる後席足元中央のセンタートンネル部の張り出しが小さく、同セグメントのライバル車よりも広く感じられたといいます。

 威厳、気高さという言葉を車名にしたディグニティはモノグレードの展開で、価格(消費税抜き)は999万円。

 乗り出しでは1000万円を超える価格となり、トヨタ「センチュリー」や日産「プレジデント」と対等する国産最高級車として登場しましたが、販売面では大幅に苦戦を強いられます。

 これに三菱の不正なども重なり、1年ほどで販売を終了。三菱によれば総生産台数はわずか59台(1999年は15台・2000年は42台・2001年は2台)でした。

 生産終了から20年以上が経過し、その多くが廃車されたと思われる現在、街でディグニティを見かける機会は滅多になく、複数の中古車サイトでも掲載物件は1台もありません。

 遭遇できればもはや相当「運が良い」と言っても過言ではありませんが、実はこのディグニティは宮家の公用車としても採用された経緯があり、極めてレアなクルマにも関わらず、報道などでもまだ見かけるチャンスはあるかもしれません。

※ ※ ※

 なお、ディグニティおよびプラウディアは、2012年に一度復活。このときは日産「シーマ」および「フーガ」のOEMとして展開されました。

 残念ながらこちらも短命に終わり、4年後の2016年に販売終了しています。

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