トヨタの「ちょっと小さい“高級ミニバン」に注目! 5ナンバーの絶妙サイズ×「アルファード風」縦グリル採用! 豪華インテリアもスゴかった「エスクァイア」とは!
トヨタ「ノア」「ヴォクシー」の兄弟車として、かつて「エスクァイア」がラインナップされていました。ノア/ヴォクシーが現行モデルへフルモデルチェンジする際に姿を消したミニバンですが、どのようなモデルだったのでしょうか。
トヨタの「ちょっと小さい“高級ミニバン」に注目!
「高級ミニバン」と聞いて思い浮かべるのは、トヨタの「アルファード」のような大柄なクルマでしょう。
広くて豪華な車内は憧れの的ですが、実際に運転するとなると「大きすぎて道幅が怖い」「駐車場に入らない」といった悩みがつきものです。
かといって、運転しやすい「ノア」や「ヴォクシー」のようなミドルサイズのミニバンを選ぶと、便利だけれど「高級感」という点では少し物足りなさを感じることも。
そんな、わがままな願いを叶えるために2014年に登場したのが、トヨタの「エスクァイア」でした。

エスクァイアの最大の特徴は、扱いやすいコンパクトな車体サイズ(5ナンバー枠)を守りながら、見た目と中身を徹底的に豪華にしたことです。ベースとなったのは当時の3代目ノア/ヴォクシーですが、その雰囲気は全くの別物でした。
まず目を引くのが、顔いっぱいに広がった大きなフロントグリルです。キラリと輝くメッキを贅沢に使い、縦のラインを強調したデザインは、まるで「小さなアルファード」のような迫力を実現。
エンブレムも、中世ヨーロッパの騎士をイメージした専用デザインのものを装着しており、ほかのミニバンとは差別化されていました。
車内に一歩足を踏み入れると、そこにはさらに驚きの空間が広がっており、一般的なミドルサイズミニバンはプラスチック素材が目立つことも多いのですが、エスクァイアはダッシュボードやドアの部分にまで合成皮革を貼り、丁寧なステッチ(縫い目)を施していました。
さらに、光沢のあるピアノブラックのパネルや金属調の装飾を組み合わせ、シックな「バーガンディ(濃いワインレッド)」の内装色も用意。まさに「高級ホテルのラウンジ」をそのままコンパクトにしたような仕上がりだったのです。
価格はノアやヴォクシーより40万円ほど高く設定され、販売店もクラウンなどを扱う高級志向の店舗で行われました。
「知る人ぞ知る上質な一台」として歩み始めたエスクァイアですが、販売面では徐々に難しい局面に立たされます。
その大きな理由は、皮肉なことにその絶妙な高級感にあり、エスクァイアにオプションをいくつか追加すると、価格がひとつ上のクラスであるアルファードの入り口に手が届いてしまうのです。
「同じくらいの予算を出すなら、やっぱり一番大きいアルファードがいい」と考えるユーザーが増えたことは、エスクァイアにとって大きな誤算だったでしょう。
さらに2020年、トヨタの販売体制が変わり、どこのお店でも全ての車種が買えるようになります。
それまでのエスクァイアは特定の店でしか買えない“特別感”がありましたが、ノアやヴォクシーと同じ店内に並ぶようになったことで、キャラクターの差が以前よりも見えにくくなってしまいました。
結局、エスクァイアは2022年のフルモデルチェンジのタイミングで、ノアとヴォクシーに統合される形でラインナップから姿を消しています。
販売期間は約8年。決して長い歴史ではありませんでしたが、「日本の道にぴったりのサイズで、最高の贅沢を味わう」というエスクァイアが掲げた理想は、今も中古車市場などで根強い支持を集めています。
大きすぎず、安っぽくない。そんな日本人のライフスタイルに寄り添った「小さな高級車」の先駆けとして、エスクァイアはミニバン史にしっかりと航跡を残したのです。
Writer: くるまのニュース編集部
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