トラックがトラックを「ゆっくり」抜く! 高速道の流れを阻害!? 大型車同士の「ゆっくり追い越し」はなぜ起こるのか
「スピードリミッター」義務化で大きく変わった大型車の走り
ちなみにスピードリミッターが装着されていると、およそ時速90キロまでしか出すことはできません。
現在の大型トラックの多くは、時速80キロほどでオートクルーズコントロールを使って走行しているといいます。
![我々の生活を支えてくれている物流の大型トラック[イメージ画像:AdobeStock]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2024/07/20230704_Track_Highway_Traffic_Accident_AdobeStock_198558379.jpg?v=1688442412)
一定速で巡行走行をすることで、心に余裕をもって運転ができることや、燃費の面でもメリットはあります。
しかし前方を走る遅いトラックに追いついた場合には、スピードリミッターの設定以下の速度で加速して、追い越し車線から追い越す必要があります。
ただその場合、速度差がそれほどつけられないことから、一気に追い抜くことは難しく、また長い登り坂などでトラックの加速が鈍るシーンでは、横を走るトラックと並走する時間が伸びてしまいます。
当のトラックドライバーたちも、ゆっくり追い越したいとは思っていないのですが、追い越す側、追い越される側双方のスピードが近く、また、上限速度にも縛りがあることで、短時間でのスムーズな追い越しができずにいる、というのが現状のようです。
ちなみに追い越し車線をずっと走り続けることは「通行帯違反」となり、違反点数1で反則金6000円(大型車は7000円)が科せられます。
取締り対象となる「ずっと」の基準は特に明示されていませんが、多くの警察の取り締まりの場合、2キロ程度の走行を目安としているようです(例外もあります)。
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大型トラックによる物流は、我々の生活を支えてくれる非常に重要なものですが、スピードリミッター導入から20年近くが経ち、以前よりも安全かつスムーズな高速道路環境ができつつあると筆者(河馬兎)は感じています。
高速での平均走行速度が多少低下しても、実は目的地への到着時間の差などほんのわずかだといいます。
もし前方を走る大型トラックがゆっくりと追い越しするシーンに遭遇しても、イライラせず余裕をもって見守るようにしたいものです。
[編集部注記:2023年7月21日、一部の文字を修正しました]
Writer: くるまのニュースライター 河馬 兎
お金と法律に関する複数の資格をもつWEBライター。好きな言葉は「お風呂」と「ハイボール」


























