助手席にある「謎の穴」は何のため? 高級セダンにあった「貫通穴」の意味とは
ハイヤーのドライバーに聞いた「貫通式オットマン」で最も気になること…
ハイヤーのドライバーさんは次のように話します。
「実際に貫通式オットマンの機能を使うかどうかは、乗られるお客様の判断に委ねていましたが、やはり周囲の目がある環境で使われる方は少なかった印象ですね。
逆に酒席のあとやゴルフの帰り道など、リラックスした環境では使われる方もいらっしゃいました」
ちなみに、貫通式オットマンを通して、助手席の上に後部座席に座るVIPの足先が「ニュっ」と出てくることに関して、気になる「ニオイ」などはなかったのかについてもたずねてみました。
「さすがに運転中にニオイが気になる…ということはありませんでした。
トヨタ最上級の『センチュリー』などはともかく、比較的コンパクトな『クラウンセダン』などでは、モゾモゾと動く足の指が気になることは何度かありました」
ということで、運転中も車種によっては意外と目に入るようです。
そんな往年の高級セダンのオットマン機能ですが、いつしか消滅していきました。
助手席の座面まで貫通している状態だと、万が一事故が起きたときにはさまざまなリスクをもたらします。
特に、シートベルトをしていても、衝突時に身体が滑り落ちてしまう「サブマリン現象」が生じたり、足や身体をシートの骨格で挟んでしまって、予期せぬダメージを負ってしまう可能性もゼロではありません。
乗員の安全性を考慮した結果、近年の装着車は減少しています。
現在のトヨタのフラッグシップセダンであるセンチュリーにも、助手席後方にオットマンは備わっているものの、助手席背もたれは貫通しないタイプとなっています。
時代の流れと共に、上級装備の内容も変わっているようです。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
昔アムラックストヨタでセンチュリーの展示車見たとき、助手席前のグローブボックスを開けるとカップを4つ置けるようになっていて、更に前列よりも後列の方が明らかに広くて、前列は本当に文字通り運転手の席と助手の席なのだなと思った。