マツダの国内最上級3列シートSUV「CX-80」 モダンな街並みにも映えるスタイリングと存在感

 数少ない女性モータージャーナリストとして、クルマ業界で奮闘する毎日はけっこうハードです。現場でもよく一緒になる仲良しジャーナリストの吉田由美さん(以下、由美さん)と「たまにはどこか自然豊かなところでリフレッシュしたいね」と話していたところ、なんと、マツダから発表されたばかりの3列シートSUV「CX-80」で日帰りロングドライブをする機会をいただきました。

今回旅を共にする「CX-80」XD-HYBRID Premium Sports。ボディカラーはアーティザンレッドプレミアムメタリック

 せっかくの貴重な機会なので、いつも笑顔とファンサービスで頑張っているモデルの相沢菜々子さん(以下、菜々子さん)と七瀬ななさん(以下、ななさん)も誘って、4人でロングドライブ女子旅と、しゃれ込んでみました。

  • 都内の待ち合わせ場所で合流した4人。XD-HYBRID Premium Sportsは、20インチアルミホイールや、シグネチャーウイング(フロントグリル下側から左右のヘッドランプへとつながる造形)がブラック基調になっており、上品かつグレード名の通り“走り”を想起させる

 都内の待ち合わせ場所へ到着すると、モダンな街並みにたたずむCX-80がとってもステキでテンションアップ。ほどなく由美さん、菜々子さん、ななさんもやってきて「この色いいね」とか「SUVだけどルーフラインがきれいでカッコいい!」なんて褒めてくれます。

左から吉田由美さん、筆者のまるも亜希子、七瀬ななさん、相沢菜々子さん。カーライフエッセイストの由美さんはもちろん、菜々子さん、ななさんも多くの自動車媒体でさまざまなクルマに乗る機会も多いため、その知見を生かすべく同乗のインプレッションを担当してもらう

 アーティザンレッドプレミアムメタリックは、ブラウンとレッドが光の加減で混ざり合う美しいボディカラー。デザインは生命力にあふれ、タフな中にも優雅さが流れているのが特徴的です。最初は由美さんが助手席、菜々子さんとななさんが2列目シートに座り、日帰り女子旅のスタート!

一般道では運転のしやすさと、乗員全員が快適な乗り心地と快適な車内空間を体感

 都心の一般道は朝のラッシュが少し落ち着いた時間帯ながら、走るクルマは多めで交差点によっては渋滞しているところもある状況です。

4人を乗せたCX-80のボディは、リフレクション(反射)によって光が移ろい、上品な印象を際立てる

 でもCX-80の運転席に初めて座って感じたのは、乗り込む時にそれほど「ヨイショ」と“登る”感覚はなく、スマートに座れたのに、適度にアップライトな視点で前や斜めまでよく見通せることです。

 ボディサイズが大きいので少し身構えていましたが、体の中心を起点に右足が自然とアクセルペダルにおろせる、マツダこだわりのドライビングポジションで操作をしやすくなる印象です。12.3インチのフル液晶メーターは情報が一目で把握でき、ピラーやボンネットから車両感覚がつかみやすいこともあって、入り組んだ道でも扱いやすいと感じます。

XD-HYBRID Premium Sportsは、ヒーター内蔵で本革巻きの2トーンステアリングを採用。インパネには、スエード調でタンカラーのレガーヌを施すことによって上質感が高められており、フロントコンソール(シフトレバー周り)はガンメタリックで加飾されている

 狭い路地を曲がりやすいことや、右折をする際に斜め後方から来る歩行者や自転車の安全確認がしやすく、いつの間にかホッと肩の力を抜いて運転している自分に気付きました。

 CX-80なら、普段SUVサイズの大きなクルマに乗り慣れていないお母さんが子どもを連れて買い物に行ったり、遠出のドライブではいつもお父さんに運転を任せっきりになることなく気軽に交代できたりといったように、運転席に座ることを抵抗なくトライできるクルマだと感じます

まるも「皆さん、CX-80の乗り心地はどう?」
由美「すっごい快適。このシート、見た目がいいだけじゃなくてクッションが適度に包んでくれる感じ」
菜々子「後ろもいいですよ! 足が組めるくらいゆったりしてるんです」
なな「菜々子さんは身長が高いけど頭上も余裕ですね。私は視界が広くて前の圧迫感もないので、景色がよく見えてうれしいです」
まるも「よかった〜。インテリアが本当にオシャレだよね。誰か、気分が上がる音楽をかけてくれたりしない?」
菜々子「あ、私がApple CarPlayをつなぎますね! 最新Top100をかけちゃう」
由美「いいね〜」
なな「いい音。BOSEの音響がついてるんですね」
まるも「わ〜、この歌好き!」

2列目シートに座る菜々子さん(左)とななさん(右)は「内装のタンカラーが上質でおしゃれ、かわいさもありますね!」と内装を評価。そして、2列目の快適性に、早くも満足している様子

 とまぁ、のっけから騒がしい4人旅。レガーヌというタンの上品な色みと、マットブラックヘアラインのシックな組み合わせに、アクセントでガンメタリックベゼルが使われるCX-80 XD-HYBRID Premium Sportsの洗練されたインテリアが、無意識のうちに特別感を高めてくれるのでしょう。

  • ドアトリムにもインパネ同様にレガーヌを採用。マットブラックヘアラインとガンメタリックベゼルの組み合わせは、統一感と上質感を演出する。BOSEサウンドシステムの音質は、今回のドライブのなかでも高評価のポイントになった装備のひとつ

 目指すのは、豊かな自然はもちろんグルメや絶景、映えスポットやクルマ好きにうれしいワインディングまで欲張れる、静岡県の伊豆・修善寺方面です。

高速道路で感じた上質な乗り味 マツダらしい「人馬一体」の気持ちの良い走り

 一般道から首都高速道路に入ると、いつもならゴトッゴトッと振動がくるはずの継ぎ目でも、遠くの方でコトンと鳴っているくらいでしっかりとギャップをいなしてくれる上質な乗り味と、落ち着きのあるステアリングフィールに感心します。

首都高速道路を走行するCX-80。「Graceful Toughness」というデザインコンセプトの通り、優雅な存在感を放ちつつ、タフな印象を与える。かつ存在感がある車格は、ゆとりを感じさせるデザインだ

 ジャンクションのカーブやのぼり坂も、3.3リッター直列6気筒ディーゼル+MHEV(マイルドハイブリッド)のe-SKYACTIV Dと8速ATのタッグでスムーズに駆け抜けてくれます。

  • 3.3リッター直列6気筒ディーゼル マイルドハイブリッドのe-SKYACTIV Dは、エンジンの最高出力:187kW(254PS)、最大トルク:550N・m(56.1kgf・m)で、モーターの最大出力は12kW(16.3PS)、最大トルク:153N・m(15.6kgf・m)を発揮。8速ATとの組み合わせはアクセルレスポンスが良く、マツダが提唱する「人馬一体」の“走る歓(よろこ)び”を体感できた

 車内では相変わらず音楽でノリノリになりながらも、最近の仕事のことやモータースポーツの話題で会話が弾む4人。これも、広いのにちゃんと全員の声がクリアに聞こえる静粛性の高さや、リビングというよりラウンジという言葉が似合う、ちょっと落ち着いた上質な空間を実現しているCX-80ならではと感じます。

XD-HYBRID Premium Sportsは、6人乗りのキャプテンシートモデルで、乗員全員が快適に過ごすことができる使い勝手と居住性の両立。大型のパノラマサンルーフは、2列目の範囲まで視界を拡大しており、明るくかつ開放感あふれる車内空間を実現した

 子どもが生まれてからというもの、長くミニバンでの多人数ドライブが当たり前だった私にとって、こうして同じクルマ業界の女性4人でドライブをするのは、かなり新鮮。楽しい一日になりそうな予感でいっぱいになりながら、首都高速道路を快調に走って東名高速道路に入ったのでした。

まるも「さ〜、いよいよこの辺りから富士山が見えてくるんじゃない?」
菜々子「ほんとだ! なんか今日の富士山はふわふわの帽子をかぶってるみたい」
なな「かわいいですね〜」
由美「バッチリ写真撮っちゃった」

 速度レンジが一気に上がっても、車内の女子会ムードはますます盛り上がりを見せています。ドシッと安定感のある乗り心地で、それぞれの席でゆったりと過ごしつつ、同じ空間にいる居心地のよさに浸れるのがCX-80ならでは。

  • 東名高速道路や新東名高速道路の上り勾配でも「e-SKYACTIV D」の余裕のある走りを実感。また静粛性が高いため、ミニバンなどの大きなクルマでありがちな1列目と2列目の会話が分断されてしまうということもなく、車内全員でコミュニケーションを取ることができた

 ディーゼル+MHEV(マイルドハイブリッド)のモデルは全車がAWDを採用しており、後輪駆動ベースのi-ACTIV AWDが高い安定性と意のままのハンドリング性能を両立しているというのも納得です。

 私はみんなの会話に加わりながらも、速度が上がるにつれて自分とクルマとの一体感が増し、身を任せていられる包容力の大きさに、運転手冥利(みょうり)を感じていたのでした。

 そうこうしているうちに、新東名高速道路の最高速度120km/h区間に突入。アクセルを踏み込んだときの鋭い反応と、まだまだ余裕を残しながらの悠々としたクルージングで、マイルドハイブリッドが燃費のためだけでなく「人馬一体」を掲げるマツダらしい走りの進化にも貢献していることを実感します。

新東名の最高速度120㎞/h区間では、時速100㎞/h以上の高速巡行中でもアクセルオフもしくはアクセルを緩めるとエンジンを停止させ、モーターのみの走行に切り替わることを体感。走行中にエンジンが停止・始動する際はごく自然な制御で、不快な振動などを感じることはない

「まるもちゃん、ちょっとトイレ休憩しない?」という由美さんの声がなかったら、このままどこまでも気持ちよく走っていってしまうところでした。

マツダのフラッグシップSUV「CX-80」について詳しくはこちら

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