カワイイだけじゃない!? 新型軽SUV 三菱「デリカミニ」はライバルとどこが「違う」のか【試乗】
コストにもシビアな軽で「そこまでやるか!」
新型デリカミニの開発は、NMKVという三菱と日産が共同で設立した会社が行なっています。
すでに三菱の軽スーパーハイトワゴン「eKスペース」と、日産「ルークス」があり、これら兄弟車が基本のベースとなっています。

規格サイズもさることながら、コスト的な制約も大きい軽自動車のため、通常なら走りの味付けも同じように行うところです。
しかし三菱は、どうしても4WDだけは単独でやらせてほしいと、わざわざ三菱お膝元の愛知県・岡崎テストコースで、本家デリカD:5の開発担当者も加わりながらテストを行い、オフロードコースでも入念に確認走行を実施したというから驚き。
軽自動車でもデリカらしい走りを表現するため、ショックアブソーバーの縮みと伸びのストローク量を変えたり、ステアリングフィールをシビアすぎないように調整したりと、少しずつ味付けを近づけていったといいます。
ビスカスカップリング式4WDのチューニングも変えて、より後輪にトルクがいきやすくなっていることや、グリップコントロールの電子制御も変えているとのこと。
本当は、車高を上げたりスタビライザーを変えようかとの議論もあったそうですが、やはりここは日常使いをする軽自動車であることを踏まえ、あくまでスーパーハイトワゴンの範疇でやろうという結論になったということでした。
ただ、もう1つ大きなこだわりは、外径579mmの165/60R15という、異例の大径タイヤを採用したところ。
本来なら共用プラットフォームなので、タイヤサイズの上限はおのずと決まってしまいます。しかも、タイヤサイズが変われば、歩行者保護や視界要件といった調整もいちからやり直すことになるため、効率の良い開発とは言えなくなるのですが、そんな常識を突き破ってでもデリカらしさを追求したかったという熱意が伝わってきました。
他社のライバル車でも同様にSUVテイストの内外装をもつモデルはありますが、走りの面にまでベース車と差別化を図ったと聞き、そこまでやるか! と驚かされたのです。
そしてそんな新型デリカミニの4WDターボモデルに、公道から砂利道まで様々なシチュエーションで試乗してきましたので、最後にその印象についても触れておきましょう。

































































