どうする!? 他人事ではない「高齢運転者事故」! 解決策は「免許制度厳格化」以外にも? ドライバー自身の意識付けも重要に
高齢化社会が拡大していく日本において、我々は高齢者ドライバー事故の課題についてどのように捉えれば良いのでしょうか。社会全体で考えるべき2つの予防対策について紹介します。
免許を持つドライバー全体の2割以上は「高齢者」だという実情
2023年も高齢者ドライバーによる事故報道が続いています。
今後も高齢化社会が拡大していく日本において、この問題に対し我々はどのような意識を持てばよいのでしょうか。
2023年に入ってから、また高齢ドライバーによる事故の報道が目立ちます。アクセルとブレーキを踏み間違えて店舗内に飛び込んだり、逆走したことによる事故などが後を絶ちません。
例えば3月1日には、大阪市生野区では71歳男性が運転する乗用車が道路を逆走。かなりのスピードで歩道を飛び越え、病院の施設内に乗り上げて、その際に歩道にいた86歳と76歳の女性が巻き込まれ亡くなりました。
各種報道によると、運転していた高齢者はくしゃみが出て気が遠くなり、正しい運転ができなかったと警察に話していると言います。
事故の原因は様々ありますが、高齢ドライバーによる事故が報じられるたびに、ネット上では「国はもっとしっかり対応策を考えるべき」「運転免許制度を改めるべき」、または「交通事故は全ての世代のドライバーによって起こっているのに、メディアは高齢ドライバーの事故を強調し過ぎる」といった厳しい声を数多く目にします。
そうした中、私たちはこれから、高齢ドライバーに関する様々な課題についてどういった意識を持つべきなのでしょうか。
まず、当面の間、高齢ドライバーの絶対数が増えていく、という認識が必要です。
この高齢ドライバー(または高齢者ドライバー)という表現ですが、明確な定義はありません。
高齢者については、国連が65歳以上と考えを示しており、全人口に占める65歳以上の人口比率を高齢化率という指標で国や地域の社会状況を表しています。
また、内閣府の調査では高齢者の定義を65歳以上とした場合「高齢者は何歳からといイメージがあるか?」という質問に対して、人によってその認知に違いがあるとの結果が出ています。
その上で、警察庁の「運転免許統計」令和3年度版によると、運転免許保有者数は全国で約8190万人いることがわかります。このうち65歳以上は約1928万人で、全体の23.5%を占めます。
その内訳は、65歳から69歳が約643万人(7.9%)、70歳から74歳が約675万人(8.2%)、75歳から79歳が約347万人(4.2%)、そして80歳以上が約262万人(3.2%)となります。
また運転免許保有者数のこれまでの変化ですが、2470万人だった昭和42年を指数100とすると、昭和59年に200を超え、平成12年に300を超えたあたりから伸びは緩やかとなっています。
こうした運転免許保有者数の変化と各年代での分布から考えて、今後よほど大量の免許の自主返納が行われない限り、または後述する運転技能検査が合格できないケースが一気に増えるなどの状況にならない限り、当面の間、65歳以上の運転免許保有者数は確実に上昇していくことになるでしょう。
また、女性は男性に比べて、運転免許を取ることが一般的になった時期がかなり遅いという事実があります。
昭和44年の運転免許保有者における女性比率は17%でしたが、平成9年に40%を超え、令和3年は45.7%に上昇してきました。
このように女性ドライバーを含め、当面の間、高齢ドライバーの数は増える傾向が続くのです。
絶対数が増えれば、仮に事故の発生確率が変わらなくても事故件数が増える可能性があることを、世の中全体でしっかり理解する必要があるでしょう。
では、高齢ドライバーの事故に対する予防対策はどうすれば良いでしょうか。
以前か壁つたいにヨロヨロで車に辿り着き、更に車にもたれかかるようにして運転席に倒れ込み何とか走り去った老人を見た私と、周りの人たちはあんなのが運転しているんだね驚きであった。知力体力運転技術の三拍子そろわない者に免許を与えるべきではなく、強制取り上げで良いのである。
其処には人権など考慮する必要はない。被害者が増えるばかりである。
記事の高齢ドライバーの割合が間違えています。
65歳以上の割合には、70歳以上75歳以上80歳以上はすでに含まれているため、それぞれを足し合わせてはダメです。これでは全体の5割ほどになってしまいますが、実際には統計によると1927万人、23.5%です。
また、ドライバー全体8190万人に対して男性のみの割合と人数が書かれている点も間違えています。
市川滋彦様
ご指摘ありがとうございました。
修正いたしました。