あと1か月しか見られない!? 物凄く貴重な「クルマ達」 10台が一堂に会した理由は? 往年のラリー車を“富士”に展示、トヨタ・豊田会長とマカルーゾ財団の想いで実現【PR】
2024年11月27日から2025年4月8日まで富士スピードウェイ内にある「富士モータースポーツミュージアム」にて特別展示「THE GOLDEN AGE OF RALLY IN JAPAN」が開催されています。ここで展示されるのは、往年のラリーで活躍した貴重な名車です。どのようなきっかけで開催されることになったのでしょうか。
トヨタ・豊田章男会長とマカルーゾ財団・モニカ代表の共感で実現した企画展とは
トヨタと言えば、グローバルで様々なカテゴリーのクルマを展開する世界有数の自動車メーカーです。
2024年のグローバル販売台数においてもグループ全体で1082万台と5年連続で世界一を記録しています。
そんなトヨタですが、モータースポーツにも力を入れており、社内カンパニーとしてTOYOTA GAZOO Racing(以下TGR)を展開し、様々なカテゴリーに参戦してきました。
なかでもラリー競技に関しては、WRC(FIA 世界ラリー選手権)や全日本ラリーへの参戦、さらにTGR自ら主催する初心者向けの「ラリーチャレンジ」も開催するなど、ラリー競技の裾野を広げる活動を行っています。
また2022年には久しぶりにWRC「ラリージャパン」がトヨタのお膝元となる愛知県・岐阜県で開催されるなど近年はとくにトヨタのラリー熱が高まっているのです。

これらトヨタのラリー熱の高まりは、モリゾウこと豊田章男会長の想いによるものが大きくあります。
以前に豊田章男会長は「トヨタはWRC、全日本ラリー、ラリーチャレンジをやっていて、つまりメジャーリーグとプロ野球、そして草野球があるということになります。これまではそれぞれがバラバラな動きでしたが、それらの縦軸が繋がることでラリーの人気が高まると良いと思っています」と語ってくれていました。
また豊田章男会長は自らモリゾウとしてハンドルを握り、全日本ラリーではデモランを、ラリーチャレンジでは参戦するなど、日本各地でラリーを盛り上げてきました。
実際に豊田章男会長は「日本各地でラリーチャレンジが開催されることで、その地域の活性化に繋がれば『クルマ文化』と『町興し』が両方盛り上がって良いよね」とも語っていました。
なおラリーでの町興しという取り組みは、モータースポーツ黎明期にイタリア南部シチリア島で開催された「タルガ・フローリオ」がモータースポーツを町興しの手段と捉え行政や島民が協力して、60回以上開催されるなど「地元連携モータースポーツ」の元祖としても知られています。
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こうした豊田章男会長と同様にラリーへの想いを持っている人物のひとりとして、ジーノ・マカルーゾ・ヒストリックカー財団のモニカ・マイランダー・マカルーゾ代表がいます。
イタリアにある同財団は実業家でありながらラリーでも活躍したジーノ・マカルーゾ氏の妻モニカ氏と子供達がコレクションを礎に設立したもので、往年のラリーに参戦した貴重なコレクションを所有しています。
生前のジーノ氏は親日家としても知られ、自身のコレクションを展示することで、日本でも「ラリーの歴史」を伝えたいという想いがあったと言います。
こうした想いを受け継ぐモニカ氏と出会った豊田章男会長。
お互いのモータースポーツへの情熱に共感したといい、「世界のモータースポーツ文化の盛り上げを一緒に進めよう」と意気投合したと言います。

こうして実現したのが「THE GOLDEN AGE OF RALLY IN JAPAN」です。
では豊田章男会長とモニカ代表が出会った際にどのような共感が生まれたのでしょうか。富士モータースポーツミュージアム・館長の布垣直昭氏は次のように話してくれました。
「今回の企画の始まりは昨年3月にモニカさんが来日されたところから始まるんです。
オーナーであったジーノ・マカルーゾ氏が親日家で『いつか日本でそのコレクションの展示をやりたい』という想いがありました。
その遺志を奥様のモニカさんが引き継がれて、まずはイタリア・トリノの自動車博物館でコレクション展示をやりました。
そしてそれを『日本でもやらせてもらえないか』と日本に持ちかけてこられ、『それをどこに相談していいのか?』という中で日本を代表するカーガイでもある豊田章男会長に話をされました。
元々モニカさんはFIAの役員をされていて、豊田章男会長も役員をしていた関係などもあり、モニカさんが『直接お会いして話がしたい』ということで来日されたという経緯があります。
お二人がお話しされた中で、やはり『世界でもっとモータースポーツを盛り上げていきたい』という想いにシンパシーをお互い感じられ、意気投合されたことが今回の企画展を実現した大きな要因です。
最初に企画展をやる場所として、豊田会長から『ラリージャパンで展示したらどう?』とアドバイスを頂き、開催まで半年という時間の中で豊田スタジアムに展示することとなりました。
その後、富士スピードウェイや富士モータースポーツミュージアムを含む富士モータースポーツフォレストが『ここから世界にモータースポーツを発信していく場所』にふさわしいということもあり、ここで企画展を行うことになりました」
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では今回、イタリアから持ってきた6台はどのような経緯で選ばれたのでしょうか。前出の布垣直昭氏は次のように語ります。
「今回の6台はモニカさんの英断もあって1年間お借りしています。
この6台も初めから決まっていたわけじゃなくて、豊田章男会長から私とTOYOTA GAZOO Racingの高橋智也プレジデントに対して『イタリアに行ってクルマを見てきなさい』という話を頂き、実際にトリノに行って、そのコレクションを全部見せていただいたわけです。
トリノの郊外に財団が所有する倉庫があり、そこには数十台のコレクションが並べられています。ラリーだけでも2、30台持ってらっしゃるので、財団の学芸資格を持った担当者と相談しながら決めていきました。
日本のラリー車には関しては、すでに持っているものもあったので、財団のコレクションからは海外ラリーの歴史のなかで欠かせないものを選んでいます」
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このイベントは、前述の「ラリージャパン2024(11月21日から24日)」の会場で、まずはラリーカーの進化の歴史を振り返る6台のクラシックラリーカーが展示されました。
その後、2024年11月27日から2025年4月8日まで富士スピードウェイ内にある「富士モータースポーツミュージアム」にて展示を行っています。
ここで展示されるのは、マカルーゾ財団コレクションが6台、日本の往年のラリーカーが4台です。
これら10台には、どのような物語があるのでしょうか。