日本で「アメ車」なぜ激減? フォードもクライスラーも撤退! いまでも新車で買える「厳選」されたアメリカの車とは

広大な国土を持つアメリカの幅の広い道を走るアメリカ製のクルマは、日本を走るには大きすぎたのか、気がつけば「フォード」も「クライスラー」も撤退し、正規輸入で購入できるアメ車は減ってしまいました。いま日本ではどのようなアメ車が販売されているのでしょうか。

いまやSUVばかり!? 日本で買えるアメリカ製のクルマとは?

「アメ車」の略称で親しまれてきたアメリカ車ですが、かつての勢いを知る人からすると、近年の状況には一抹の寂しさを感じてしまうのではないでしょうか。

 それというのも販売の低迷から新車で購入できる正規輸入車の種類が数えるほどになってしまったからにほかなりません。

シボレー「カマロ」
シボレー「カマロ」

 アメ車といえば、戦前や戦後の復興期は「豊かな暮らし」の象徴であり、高度成長期には銀幕スターや大企業の経営者が乗る成功者の証でした。

 1970年代のオイルショックで転換期を迎え、ダウンサイジング化が図られるもその魅力は衰えず、数々の映画やドラマに登場するなど常に憧れの存在であり続けました。

 1990年代中頃にセールスはピークを迎え、年間の新規登録台数は5万台(ホンダやトヨタの逆輸入車を除く)を超えることも。2021年にもっとも売れた輸入車であるメルセデス・ベンツと同等の台数といえば、当時のアメ車の人気ぶりがうかがい知れるでしょう。

 隆盛を極めたアメ車の販売は徐々に下降線をたどることになります。とくに2000年以降は苦戦を強いられ、2011年には「ダッジ」が、2016年には「フォード」が、そして2017年には「クライスラー」が日本市場から撤退。残念ながらいまではわずか4ブランドしか正規輸入されていません。

 もっとも、数が限られたからこそ現在のラインナップは厳選されているともいえます。日本市場で生き残るアメ車にはどのようなモデルがあるのでしょうか。

●シボレー

 アメリカの3大自動車メーカー「ビッグスリー」の一翼を担う「ゼネラルモーターズ(以降、GM)」。シボレーはGMにおいて比較的低価格なモデルを受け持ちます。

 シボレーはコンパクトカーやSUV、フルサイズバンまで幅広く取りそろえ、仕向地にあわせたクルマを販売する世界戦略ブランドですが、現在日本で販売されているのはスポーツカーの「カマロ」と「コルベット」です。

 カマロの現行モデルは6代目にあたり、現代のクルマらしく環境を意識した2リッター直列4気筒ターボを用意しているのが特徴。

 コルベットは、8代目にあたる現行モデルで、それまで貫いてきたFRレイアウトと決別しミッドシップへと転換。500psを超える6.2リッターV型8気筒OHVエンジンを搭載し、欧州のスーパーカーと対峙します。

●キャデラック

 GM傘下で高級車を担うのが「キャデラック」ブランドです。

 キャデラックといえば大きく煌びやかなセダンをイメージする人も多く、アメリカ大統領の専用車として選ばれる高級車です。

 かつては日本でも複数のセダンがラインナップされ、新しいところでは4代目「セビル」がスマッシュヒットを記録して1990年代のアメ車の大躍進に大いに貢献しましたが、現代のラインナップはガラリと変わり、ほとんど専業ブランドといっても過言ではないほどSUVばかりになっています。

 日本で販売されているセダンは「CT5」のみ。これはメルセデス・ベンツ「Eクラス」やBMW「5シリーズ」のライバルにあたるモデルです。本国にはひとクラス下の「CT4」もありますが、それをあわせてもセダンは2車種のみとなっています。

 一方のSUVは、大きい順に「エスカレード」「XT6」「XT5」「XT4」と4車種をラインナップ。

 ちなみに、もっともコンパクトなXT4がトヨタ「RAV4」、XT6は「ランドクルーザー(300系)」に近いサイズになります。

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