なぜ軽の「64馬力規制」今も残る? 乗用車/二輪車は既に撤廃 軽EV普及でも「規制」変わらぬ背景とは
軽自動車には「最高出力64馬力」という自主規制が設けられています。すでに乗用車や二輪車では撤廃されているにもかかわらず、なぜ軽自動車には残るのでしょうか。また、EV時代になっても見直されることはないのでしょうか。
新型軽EVも64馬力?いまなお残る軽自動車の馬力規制とは
現在日本で販売されている軽自動車の最高出力は、業界団体による自主規制によって64馬力が上限とされています。
ガソリン車を基準に考えられたこの自主規制ですが、電気自動車(EV)の時代になっても見直されることはないのでしょうか。
現在販売されている軽自動車のスペックを見ると、最高出力が馬力以上のモデルはまず見当たらないことがわかります。
これは、自動車メーカー各社で構成される日本自動車工業会において、軽自動車の最高出力(馬力)の上限を64psにするという自主規制がおこなわれているためです。
あくまで自主規制であるため、これに反したからといって法的に罰せられるようなことはありません。
ただ、この自主規制のきっかけとなったとされるスズキ「アルトワークス」が、64馬力を最高出力として1987年に発売されて以降、ごくわずかな例外を除いて64馬力を超える最高出力を持つクルマは市販されていません。
そもそもこうした馬力規制が制定された背景には、1980年代以降、交通事故が多発したことと深く関係しています。
重大事故の多くはスピード超過によるものであることから、馬力を規制することでスピード超過を防ぐことを基本的な考え方とし、軽自動車以外にも乗用車や二輪車でも馬力の規制がおこなわれました。
実際、これらの自主規制が制定されて以降、交通事故死者数は減少を続けるなど一定の効果が見られました。
その一方で、自主規制の枠外にある輸入車が台頭してきたことで、馬力が規制された国内メーカーのクルマやバイクの競争力が劣ってしまうという指摘もあったことなどから、乗用車(5ナンバー/3ナンバー)は2004年、二輪車は2007年にそれぞれ規制が撤廃されています。
しかし、軽自動車に関しては、30年以上にわたって自主規制が継続されており、クルマづくりにおける大きな制約条件となっているのが現状です。
一方、2022年5月には新型軽EVの日産「サクラ」と三菱「eKクロスEV」が登場しました。
日々の生活を支える軽自動車というカテゴリにおける実用的なEVということもあり、発売当初から多くの受注を得ています。
新しい時代の幕開けを感じさせる両車ですが、最高出力はやはり64馬力となっており、自主規制を意識していることがわかります。
ただ、最大トルクは両車ともに195Nmとなっており、一般的な軽自動車の2倍程度という数値です。
さらに、発進時より最大トルクを捻出することができるというEVの特性を考えると、加速性能はガソリン車の比ではありません。
この例を見てもわかるとおり、パワートレインの性質が異なるため、ガソリンエンジン車を基準に制定された馬力規制を適用することに、実際どれほどの意味があるのかは大きな疑問です。
排気量を下げて馬力はそのままにしたら燃費は上がりますかね?。
なぜ64という数字なのかは知らないのですね。この記事をクリックして読む読者の方々はアルトワークスが発端であることなど知っているのですから、64という数字の期限と根拠を調べてから記事を書くべきかと思います。