「アウディ&ポルシェ」連合が日本のEV界で革命!? 1000万超え高級EVの差別化ポイントは「超急速充電器」整備にあった

国内外でEV(電気自動車)のニューモデルが相次いで登場するなか、ドイツのアウディは急速充電性能で差別化を図るといいます。ポルシェとタッグを組む充電スポット事情をレポートします。

高性能プレミアムEVの魅力を活かす150kW級の超急速充電器の実力とは

 国産モデルを中心にEV(電気自動車)の新型車が相次いで登場している2022年は、日本における「EV普及元年」との声も聞かれます。
 
 そんななかアウディジャパンはポルシェジャパンとともに、高性能なプレミアムEVを訴求すべく急速充電設備の整備に力を入れています。その理由はどこにあるのでしょうか。

プレミアムブランド「アウディ」の高性能EV「 e-tron GT」(写真はアウディ・ポルシェなどによる合弁事業IONITY(アイオニティ)が欧州で展開する充電ステーション)
プレミアムブランド「アウディ」の高性能EV「 e-tron GT」(写真はアウディ・ポルシェなどによる合弁事業IONITY(アイオニティ)が欧州で展開する充電ステーション)

 今年2022年は、EV普及元年とも称されるように、国内外メーカーから多様なEVが続々と市場導入されています。

 国内メーカーでは、日産「アリア」に次いで、トヨタ「bZ4X」やスバル「ソルテラ」が登場。そして、満を持して登場した、軽EVの「サクラ」と三菱「eKクロスEV」の販売が絶好調です。

 また、輸入車ではグローバルのEV市場で先行するテスラ待望の「モデルY」が日本上陸を果たし、また伝統的な自動車メーカーでは、メルセデス・ベンツの「EQ」、アウディの「e-tron」、BMWの「i」、そしてボルボの「Recharge」など、各メーカーがEV専用ブランドでのモデル拡充を進めているところです。

 そうした中で、気になるのはアウディジャパンによる高出力型の急速充電器の導入の動きでしょう。

 同社によりますと、2022年上半期の時点で、全国のアウディディーラーでは出力50kWが42基と出力90kWが8基の急速充電器を設置しています。

 これらに加えて、年内には出力150kW急速充電器52基を一気に追加するというのです。

 アウディジャパン代表取締役のマティアス・シューパース氏は「日本でも今後、ドイツのように急速充電器は出力150kWが主流になることが望ましい」という考えを示しています。

 その理由は単純明快で、EVに搭載する電池容量が同じならば、充電での電力(電圧×電流)が大きいほど充電時間は短くなるからです。

 同社が示した図での説明では、アウディ「e-tron GT」の走行距離100km分の充電必要時間を充電する出力別で比較しています。それによりますと、出力50lkWでは約20分間なのに対して、出力90kWでは約10分、そして出力150kWでは約6.5分まで短縮できます。

 その上で、複数のEVが出力150kW急速充電器を使用でき、充電中は併設する休憩スペースを使う施設がドイツでは着々と整備され始めている様子を紹介しました。

 さらに、アウディジャパンは同じくフォルクスワーゲングループのポルシェジャパンと連携し、プレミアム・チャージング・アライアンスを組むことも発表済みです。

 これにより、ポルシェが2024年までに全国で50基設置する出力150kW急速充電器をアウディユーザーも利用できるようになります。

 一方、地方部ではポルシェのディーラーがない地域も珍しくないため、ポルシェユーザーにとってはアウディディーラーでの出力150kWを含めた各種急速充電器を利用できるメリットは大きいと言えます。

※ ※ ※

 これに対して、日系メーカーの場合、トヨタ、日産、ホンダ、三菱、東京電力、中部電力などが株主として参画している充電インフラ関連企業のe-Mobility Powerは出力50kWの急速充電器をベースに、出力90kW急速充電器の拡充を進めているところです。

 同社によれば、「様々な会合を通じて、メーカー各社の今後のEV開発やEV販売計画をあるていど把握しながら、導入コストと事業化のバランスを見極めて、EV普及全体の流れの一歩先を行くような形で急速充電器の拡充を進めていく」という基本方針を示しています。

 日系メーカーサイドの話では、EVラインアップの拡充がこれから本格化するトヨタの場合、全国のディーラーに急速充電器の拡充を図る計画ですが、出力150kWが主流になるという話は市場から聞こえて来ません。つまり、出力50kWまたは出力90kWでの急速充電器の導入が基本路線だと考えられます。

 また、地図情報の大手であるゼンリンによりますと、EVやプラグインハイブリッド車用の充電器は現在、全国に約3万基あり、そのうち約8000基が急速充電器です。

 設置されている場所は、全国のカーディーラー、高速道路のSA/PA、コンビニ、道の駅、地方自治体関連施設など様々ありますが、急速充電器の利用頻度がもっとも多いのはカーディーラーだと言います。

 そうした中、トヨタなど日系メーカー各社は、自社のEVのみならず、他社のEVも充電可能なディーラーを増やす試みを進めており、その一部にはアウディも含まれているという状況です。

 ところが、足元ではアウディが、自社ユーザーの特権として出力150kW急速充電器を拡充を進めることで、e-tronブランドとしての差別化を図ろうとしているのです。

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1件のコメント

  1. これはアウディとポルシェから接待されて書いた記事なのかもしれませんが、
    2022年にもなって150kWの充電器が革命だなんて題名付けて恥ずかしくないんでしょうか。
    最初のテスラ スーパーチャージャー(設置時120kW、後に150kWにアップデート)が設置されたのが2012年、もう10年も前の事です。

    私も実際テスラ乗ってますが、充電待ちにより家族の機嫌を損ねずEVで長距離移動するのであれば
    最低250kWクラス複数設置、
    すぐプラグを刺せばに即認証と課金が済むような充電器必須だと実際使っていると感じます。
    350kWが導入されたなら革命かもしれませんが、150kWクラスの充電器じゃガソリン車の代替にはなりません。
    実際に日常的に150kW以上の充電器を使った上で記事書いて欲しいです。

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