国産商用車にも電動化の波!? トヨタなど4社が大手流業各社やインフラ事業者、自治体らオールジャパン体制で挑む!

国産商用車の世界にも、本格的な電動化の波が訪れそうです。トヨタなど大手自動車メーカー4社と大手流通企業、インフラ各社などは2022年7月19日、エネルギーマネジメントシステムの構築・社会実装について発表を行いました。

FCVやEVトラックを使用した「社会実装」を通じ国内電動化の基盤を創る壮大な取り組み

 大型トラックでの長距離輸送から街の宅配業まで、ついに本格的な電動化時代がやってくるかもしれません。

 トヨタ、日野、いすゞ、スズキ、ダイハツなどが参画して誕生した、次世代商用車の企画開発を行うコマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT)は7月19日、「電動車普及に向け、福島・東京でエネルギーマネジメントシステムの構築・社会実装を開始」と発表。関連して同時に3つの発表があったため、これら全体についてCJPTの中嶋裕樹社長がオンラインで詳しく説明しました。

写真はトヨタが2021年12月に発表したバッテリーEV(電気自動車)の商用車コンセプトカー「Mid Box」
写真はトヨタが2021年12月に発表したバッテリーEV(電気自動車)の商用車コンセプトカー「Mid Box」

 要約しますと、燃料電池大型トラックや燃料電池小型トラック(FCV)、電動小型トラックや電動商用軽バン(EV)を合計で約580台も導入して、水素の充填や電気の充電などの課題解決を含めた「お客様の利便性第一」の社会を皆で作っていこう、という巨大プロジェクトなのです。

 ここでの「お客様」とは、直接的には運送事業に関わる会社や個人事業主、またスーパーマーケットやコンビニなどの運送による商品配送が事業の生命線である小売り事業者などを指します。

 そうした事業者による商用車の的確で安全な運行が行えることで、一般消費者の利便性においてもメリットが生まれるという考え方です。

 今回のプロジェクトに参画するのは、まずは社会実装の拠点となる福島県と東京都が名乗りを挙げています。

 そして、CJPTを形成する日野、いすゞ、スズキ、ダイハツ、そしてENEOSや岩谷産業などのインフラ事業者。さらに、アサヒビール、アマゾンジャパン、コカ・コーラボトラーズジャパン、ヤマト運輸、日本通運、佐川急便、西濃運輸、福山通運、セブンイレブンジャパン、ファミリーマート、ローソン、日本郵便など、日本の物流の中核を担う事業各社が勢揃いした形です。

 まさに国内におけるオールジャパン体制であり、これをきっかけに日本の商用車の電動化は大きく動き出そうとしているのだといえるでしょう。

 期間は、2023年1月から2029年度末で、場所は福島県、東京都、そして東京から関東を経て関西までの幹線輸送路となります。

 そのなかで、福島県ではいわき市と郡山市で、燃料電池小型トラック約60台を順次導入していきます。

 またデンソーの福島工場では、新開発する水電解装置を用いて太陽光で得た電力を水素に転換し工場内でのガス炉で使うという、水素の地産地消も始めます。

 CJPTの中嶋社長は「社会実証ではなく、社会実装である」と強調するように、各種電動車の本格的な量産化はもちろんのこと、マネジメントを行うシステムを社会にしっかりと根付かせていこうという、CJPTとしての強い意志が感じられます。

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