誰が予想出来た? トヨタ「水素カローラ」日本の強みで大幅進化! その先にある水素の挑戦はどうなる?

なぜサーキットで「布団乾燥機」が活躍?

 ただ、何もなかったわけではありません。実は今回、モータースポーツシーンでは使うはずのない「布団乾燥機」が活躍しました。

 水素タンクは使う程に温度が下がるため、最初にどれだけ温度を上げておくがポイントとなります。

 これまでは比較的気温の高い時期のレースだったことから問題が起きませんでしたが、寒い岡山ではそうはいかず。「水素タンクの温度管理如何で周回数は3、4周くらい変わります。

 そこで布団乾燥機の登場でタンクに巻いて20度くらいまで上げてから使っていました(山崎)」。これも現地現物ならではのエピソードです。

 朝8時半からの3時間の決勝はトラブルフリー、給水素とドライバー交換以外は一度も止まることなく走り切りました。実はこれ、参戦以来はじめての事となります。

 決勝の最終ドライバーであるモリゾウ選手は、レース終盤に水素カローラと同じST-Qクラスにスポット参戦をおこなった次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を使用したマツダスピリットレーシング・バイオコンセプト・デミオとランデブー走行をおこない、一緒にチェッカーを受けました。

次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を使用したマツダスピリットレーシング・バイオコンセプト・デミオ
次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を使用したマツダスピリットレーシング・バイオコンセプト・デミオ

 今回、水素カローラは3時間で85LAPを走りました。決勝時のベストタイムは松井孝允選手が記録した1分45秒463。実はこれはST-4クラス1位のトヨタ86のベストタイム(1分45秒509)を上回るタイムです。

 レース後にモリゾウ選手に話を聞くと、「富士の時は24時間持つ自信もない、私だけでなくプロもST5にどんどん抜かれる状況でした。しかし、僅か半年でST4を抜くレベルになり、競争ができるようになりました。充電時間もかなり短くなりましたが、まだまだ……。勝てるようになるかはまだわかりませんが、もっとレースができるようにしたい」とのこと。

 今シーズンの総括も聞いてみました。

「ここまで盛り上がるどころか、そもそも毎戦エントリーできるとも思っていませんでした。

 この挑戦をクルマが出来ても使う水素がないと成立しません。水素ステーションを用意できるのは富士、鈴鹿だけでオートポリスや岡山は正直厳しいと思っていました。

 しかし、それぞれのサーキットが場所を確保いただいたこと、STOがST-Qというクラスを設定してくれたこと、そしてさまざまな企業が参加してくれたことで、戦うことができました。これこそが日本の強みだと思っています」

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4件のコメント

  1. 水素を作る時に二酸化炭素はだしませんか、その他のガスもだしませんか疑問です、

  2. アメリカやヨーロッパでは「ガソリンエンジン」ではなく「内燃機関」の自動車が禁止されるんでしょ
    燃やすのが石油だろうがバイオ燃料だろうが水素だろうが「燃焼」させる時点で規制対象のはず
    まあ日本なら「水素を燃焼するエンジン」はお目こぼしされるだろうけど、そんな国外では売れないパワーソースを開発する暇と金があったらピュアEVの開発を進めるべき

    • 言葉の綾だけど、
      欧州はCO2排出ゼロのZEV以外の販売を認めないと言ってる。
      これには商用車は別枠でとらえられているカラクリもあり
      長距離トラックなどはBEVでは運用が難しいためFCVなどが本命視されてるよ。
      なので
      メルセデスベンツの場合、
      乗用車部門と商用車部門は分割し、
      あくまで乗用車部門のベンツの声明としてZEV化を表明
      内燃機関の開発は(欧州では?)凍結し
      現状小型乗用ZEV化は難しいFCV開発技術などは商業部門に一括送りしておき
      BEVのフルラインナップ販売を進めているわけ、
      裏を返せば、
      販売差し止められていない欧州以外の国での、
      既存の内燃機関の車(ICE)の生産や販売もやめるとは一言も言ってないので、
      情勢次第で立ち回れる余地を意図的に残してるんだろうね。

    • ちょっと解り難いかな?
      要は欧州などでの論議では、
      今世紀後半までには乗用車販売を100%ZEVにする事を掲げているが、
      内燃機関を禁止しろとは言ってないのであって
      現状において内燃機関でのZEVは販売されておらず実質BEVとFCVのみの販売になると大方は見てるけど、
      水素燃焼は理論上CO2排出ゼロなので実用化が認められれば販売出来る余地はある。
      (そこに対する欧州側からの見解は出ていない)
      バイオディーゼルはカーボンニュートラル化は可能だがZEVではないので
      規制がZEVだけと厳しい欧州では販売し続けられる可能性は低い、
      ただし、欧州などでの規制論はあくまで努力目標であって、
      情勢や世論の動き次第では規制や罰則の対象年が延長されたり緩和される可能性も無くはない。
      現に商用大型トラックなどのZEV化販売しての代替わり普及は乗用車より遅れるのは確実であるので
      一定期間バイオディーゼルを認めるような動きも起こり得るかもしれないけど、
      ある意味そこの議論は先送り棚上げで乗用車ばかりを標的にしてやり玉に挙げてるんだよね。

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