「軽トラ」人気がコロナ禍で急上昇! アウトドアやカスタムも!? 軽トラの意外な活用法とは

今、クルマ好きの間で「軽トラ」に熱い視線を注がれています。一体どのようなところが人気なのか、実際に軽トラを所有している人に聞いてみました。

現在、軽トラを製造するのはスズキとダイハツのみ

 今、クルマ好きの間で熱い視線を集めているジャンルがあるのをご存じでしょうか。それは「はたらくクルマ」の代表でもある「軽トラック(軽トラ)」です。

 強化される排ガス規制や安全規制に対応できないとの理由から、2021年4月にホンダが撤退したため、現在軽トラを新車で購入できるのはスズキ「キャリイ」とダイハツ「ハイゼットトラック」、そしてそれらのOEM車のみ。

ダイハツの軽トラ「ハイゼットトラック」
ダイハツの軽トラ「ハイゼットトラック」

 スズキとダイハツしか軽トラを製造していないことからカテゴリ自体が縮小しているように見えますが、ここ最近はキャンプや釣りなどのアウトドアブームの影響で急激に注目が集まっています。

 軽トラのどのようなところが魅力的なのでしょうか。

 軽トラは「標準貨物軽自動車」に該当し、軽自動車の規格(全長3.4m×全幅1.48m×全高2.0m以下、排気量660cc以下)のなかで、車輪数は3以上、荷台の最大積載量が350kg、荷台に載せられる貨物のサイズは、車両の全長の+10%(0.3m)か2.5m未満の高さまで(幅は車両と同じ幅まで)と定められています。

 ちなみに軽トラの主な用途はあくまで「貨物運搬用」であるためシートは2座しかありませんが、貨物を積載してそれを監視する目的で荷台に人が乗っても良いとされています。

 ただしその場合、出発地の警察署で「荷台乗車許可申請」の手続きを経て許可を得る必要があります。

 そして現在、新車で購入可能なスズキ キャリイとダイハツ ハイゼットトラックは、驚くほど似たスペックとなっています。

 全長3395mm×全幅1475mmというのは一緒。全高はルーフ形状によって差があり、キャリイは全高1765mm、ハイゼットトラックは1780mm/1885mmです。660ccエンジンのスペックも最高出力46馬力(ハイゼットトラックのAT車は53馬力)、最大トルクもキャリイが59Nm、ハイゼットトラックが60Nmとほぼ同じです。

 また安全機能として、キャリイには予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」が、ハイゼットトラックトラックには衝突回避支援ブレーキ機能「スマートアシストIIIt」が搭載されています。

 さらに両者には、ベーシックな2シーター(シングルキャブ)だけでなく、座席後ろに荷物置き場を設けることでシートのリクライニングも可能な「キングキャブ(クラブキャブ)」ボディも用意。

 キャリイでは「スーパーキャリイ」、ハイゼットトラックでは「ハイゼットトラックジャンボ」がラインナップされるなど、ボディバリエーションも同様となっています。

 搭載されるミッションは、キャリイが5速MT/3速AT、ハイゼットトラックが5速MT/4速AT。全体的にギア比は高めに設定されており、トップスピードより力強さと燃費を稼ぐセッティングになっているようです。

 さてここで、軽トラに注目が集まる理由について、自動車関連の複数の関係者から聞いた話をもとに考察してみます。

●キャンプ&個人で楽しめるアウトドア趣味が人気に

「3密回避」を実現して楽しめるとあって、近年アウトドア関連の趣味に人気が集中しています。

 また、ソロキャンプブームの延長で少人数でも楽しめるキャンプやグランピングが人気ですが、こういった趣味には機材や道具をかなり持ち込む必要があり、運搬に適したクルマのニーズが高まったようです。

●コロナ禍の影響で維持費の安い軽自動車に再び脚光

 一部の業界を除き、コロナ禍による経済的なダメージを受けて収入が減少するなか、自家用車も維持費の安い軽自動車が売れており、そのなかでも実用を考慮したセカンドカーとして購入するケースも多いそうです。

●プチ農業ブームで荷物の運搬をしやすいクルマが求められた

 キャンプや釣りなどのアウトドアブームだけでなく、農業を楽しむ人が増えました。それまで自宅のベランダでおこなっていた家庭菜園が、実際に農地を間借りするなどに拡大。そのようななかで農具を運搬するのに最適なクルマとして軽トラ人気が高まった側面もありそうです。

●シンプルな構造ゆえに、原始的な「運転に専念する」という行為が楽しい

 実用性重視の軽トラには、自家用車では当たり前となっている快適装備の類はほとんどありません。

 最近はパワステやエアコンも標準装備されるようになりましたが、ウインドウの開閉は手動で、オーディオレスのモデルもあります。さらに非力なエンジンで大きな荷物を運ぶため、MTを選ぶユーザーが多いのも特徴です。

 このシンプルさが逆に新鮮であり、軽量ボディや後輪駆動も相まって、自分の運転スキルを活用して上手に走らせるという行為を楽しむことができます。

●シンプルな構造なので、カスタムの自由度が高い

 運転の楽しさのほかに、このシンプルだからこそ、カスタムのベース車両として魅力的であるということも特徴です。「はたらくクルマ」をいかにしてカッコ良くするか、趣味にも使えるカスタムを兼ねたドレスアップを施す楽しさがあるようです。

 実際、クルマ好きとして知られる芸能人が軽トラを購入、ロールバーを組んだりペイントしたりトレーラーをけん引したりと、自由にカスタムしてレジャー向けビークルとして楽しんでいる様子を動画で紹介しています。

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