氷上ブレーキ性能20%向上って本当!? ブリヂストンの新スタッドレス、ブリザックVRX3をスケートリンクで試してみた

今シーズン新たに登場したブリヂストンのスタッドレスタイヤ「BLIZZAK(ブリザック)VRX3」の試走会が、横浜にあるスケートリンクで開催されました。氷上ブレーキ性能20%向上を謳う新商品ですが、従来品とくらべてどうだったのでしょうか。

摩耗ライフも従来よりも17%向上

 ブリヂストンの「BLIZZAK(ブリザック)」といえば、1988年の登場以来30年以上にわたり、スタッドレスタイヤの代名詞として知られる冬用タイヤブランドです。

 北海道や北東北主要5都市での一般ドライバー装着率は46.2%と20年連続してスタッドレスタイヤのシェアNo.1、そして北海道札幌市でのタクシー装着率は69.5%。そして全世界におけるメーカー累計出荷本数は、なんと3億本に達するといいます。

 今回、そんなブリザックブランドから新商品「ブリザックVRX3(ブイアールエックススリー)」が登場しました。

ブリヂストン「ブリザックVRX3」の試走会の様子
ブリヂストン「ブリザックVRX3」の試走会の様子

 ブリザックVRX3は、2017年シーズンに発売された「ブリザックVRX2」の後継モデルとなる商品で、12インチから20インチ、30シリーズから80シリーズまで全111サイズを用意。価格はすべてメーカー小売希望価格が設定されています。

 新VRX3に搭載された新技術を見ていきます。

 まずはブリヂストンの独自技術である発泡ゴムが「フレキシブル発泡ゴム」に進化したこと。アイス路面でタイヤが滑る原因は、氷とタイヤの間にできる水なのですが、発泡ゴムとはタイヤに無数に空いた穴でその水膜を除去し、路面とタイヤ接地面をグリップさせる技術です。

 新VRX3に採用されたフレキシブル発泡ゴムは、従来のVRX2同様、浸水作用による吸水力を備えつつ、新たに水路の断面形状を楕円形に変更。これによる毛細管現象により、円形断面よりもさらに吸水力が向上しています。

 さらに突起や端止めにより、接地路面内への水流の回り込みを抑制、接地性を向上する新トレッドパタンを採用しました。

ブリヂストン「ブリザックVRX3」のトレッドパタン。右がアウト側で左がイン側
ブリヂストン「ブリザックVRX3」のトレッドパタン。右がアウト側で左がイン側

 これらにより、従来のVRX2に比べ氷上ブレーキ性能が20%向上したのが最大の特徴です。新しいスタッドレスタイヤが登場すると、アイス制動性能はだいたい10%前後の向上というのがこれまでの流れだったので、そういう意味では今回、2世代分進化したということになります。

 またこの新トレッドパタンは、ブロックサイズを均等化することで接地圧を分散、均一な接地によりタイヤと路面の滑りを低減させています。

 そして新フレキシブル発泡ゴムには、ゴム部分に分子量の多い「ロングステイブルポリマー」を採用。ゴムの柔らかさを保つオイルが抜けにくいため、経年によるグリップ性能の低下を抑制。

 こうした技術により、従来のVRX2と比較し、新VRX3は摩耗ライフ17%向上を実現しています。3シーズン目、4シーズン目に入っても発泡ゴムの柔らかさが持続、効き持ちを向上しているといいます。

※ ※ ※

 そんなブリヂストンの新スタッドレスタイヤ、ブリザックVRX3はどんな商品に仕上がっているのでしょうか。新横浜のスケートセンターで試走しました。

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