派手すぎず速いがカッコイイ! テンロクエンジンのホットコンパクトセダン3選
近年、人気低迷から国内市場でラインナップが激減してしまったセダンですが、とくに比較的コンパクトなサイズのモデルの減少が顕著です。しかし、1990年代には隆盛を極めており、高性能なモデルも存在。そこで、いまでは失われた1.6リッターNAエンジンを搭載したホットなセダンを、3車種ピックアップして紹介します。
1.6リッターNAエンジンを搭載した往年の高性能セダンを振り返る
人気のあるクルマは時代によって大きく変化します。近年はSUVや経済性に優れたコンパクトカー、使い勝手の良い軽ハイトワゴンにニーズが集中している状況です。
その影響からセダン人気が低迷し、とくに比較的コンパクトなサイズのモデルは激減してしまいました。
しかし、1990年代にはコンパクトセダンが隆盛を極めており、各社とも数多くラインナップし、さらに高性能なモデルも存在。
そこで、コンパクトなサイズにハイパワーな1.6リッター自然吸気エンジンを搭載した1990年代のセダンを、3車種ピックアップして紹介します。
●ホンダ「シビック フェリオ SiR」
1972年に発売されたホンダ初代「シビック」は、当初2BOXの2ドアのみをラインナップ。2代目以降はユーザー層拡大のため4ドアセダンを追加し、1991年に登場した5代目では4ドアセダンの車名が「シビック フェリオ」に改められました。
このシビック フェリオのトップグレードである「SiR」は、ハッチバックよりもスポーティな仕立てが施された稀有なモデルです。
エンジンは最高出力170馬力(MT車)を誇る1.6リッター直列4気筒DOHC VTECエンジンを搭載。
シャシは3ドアハッチバックと共通で、サスペンションは前後ダブルウィッシュボーンにブレーキは4輪ディスクを採用し、1090kg(MT車)と軽量な車体と相まって高い動力性能と運動性能を発揮しました。
外観は前後にスポイラーが装備されており、「DOHC VTEC」のデカールともにスポーティなモデルであることを控えめに主張しています。
一方、内装ではスポーティさを強調するためセダンながら4シーターとされ、より軽量で走行性能に優れる3ドアハッチバックのSiRには設定されなかった、ホールド性に優れた専用バケットシートが前席に奢れています。
走り好きにはハッチバックのSiRが高く支持されましたが、シビック フェリオ SiRにはいぶし銀の魅力があったといえるでしょう。
●日産「サニー VZ-R」
1966年から2004年まで販売された日産「サニー」は、同社を代表する大衆車として一時代を築いてきました。1970年に発売された2代目以降には高性能グレードが設定され、モータースポーツでも活躍するなど、若者にも支持されるモデルとなります。
その後代を重ね、1998年に発売され最終モデルとなった9代目には、短期間だけ大いに魅力的なスポーツモデルがラインナップ。それが、名機「SR型」エンジンを搭載した「VZ-R」です。
最高出力175馬力を7800rpmで発揮する1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載し、組み合わされたトランスミッションは5速MTのみと硬派に仕立てられていました。
外観は他のグレードとほとんど変わりなく、標準ではエアロパーツなども装着されていません。VZ-Rの識別方法はリアのエンブレムと専用の15インチタイヤくらいと、まさに「羊の皮をかぶった狼」です。
2000年のマイナーチェンジで大幅なグレードの整理がおこなわれ、VZ-Rの販売は終了してしまい、わずか2年の販売だったため、いまでは激レアなモデルです。
そして、前述のとおり2004年にサニーは長い歴史に幕を閉じました。
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