日産「S13型 シルビア」を振り返る 美しさと速さを兼ね備えた不朽の名作とは?
見た目だけでない! 秀逸な走りもヒットの理由
5代目シルビアでは、グレード構成もこれまでにないユニークな呼称が導入されていました。トップグレードから順に「K’s/Q’s/J’s」と、トランプのキング/クイーン/ジャックになぞられています。
実際にディーラーで配るノベルティとして、シルビアの写真を使ったトランプが作られたほどです。
K’s/Q’s/J’sの差異はエンジンと装備によってわけられ、K’sには最高出力175馬力を誇る1.8リッター直列4気筒DOHCターボの「CA18DET型」を搭載。
Q’sとJ’sは最高出力135馬力の1.8リッター直列4気筒DOHC自然吸気で、J’sは集中ドアロック、カセットデッキ、パワーウインドウ、電動リモコンミラーなどが省かれ、装備がQ’sよりも簡素化されています。
外観にも微妙な差があり、エンブレム以外でもK’sはフロントバンパーにダクトが開いていたことから、すぐに判別できました。
トランスミッションは全グレードで5速MTと4速ATを設定しています。
足まわりも4代目から刷新され、フロントにストラット、リアがマルチリンクで4輪操舵の「HICAS-II」装着車を設定し、ブレーキはフロントにベンチレーテッドディスクを搭載した4輪ディスクを採用。また、K’sにはビスカスLSDが標準装備されました。
このシャシによって優れた路面追従性と運動性能を発揮し、パワフルなエンジンと相まって美しい外観にふさわしい走りも獲得。
1990年にはK’s/Q’sに装備を充実させた「ダイヤセレクション」を設定し、時代背景を反映した豪華装備のモデルをラインナップしました。
さらに、1991年のマイナーチェンジでは次世代の2リッターエンジンである「SR20DET型/SR20DE型」に換装され、出力もそれぞれ205馬力、140馬力に向上しています。
また、年代は前後しますがシリーズ初の試みとして、1988年にK’sをベースとした4シーターオープンカーの「コンバーチブル」が登場。
販売はオーテックジャパンからで型式は「E-S13(改)」とされ、ボディから屋根とピラーを切り取り、電動のソフトトップを装着。クローズド状態ではベース車と同様なフォルムで、オープン状態ではソフトトップを格納することで、より美しく華やかなフォルムを実現しています。
なお、コンバーチブルはキャラクターに合わせて、トランスミッションは4速ATのみとされました。
5代目では販売チャネル違いの姉妹車「ガゼール」が設定されませんでしたが、1989年には3ドアハッチバッククーペでリトラクタブルヘッドライトの「180SX」が登場。
当時の日産FRクーペラインナップは「レパード」「スカイライン」「フェアレディZ」と並び、シルビア、180SXによって、一応の完成形となりました。
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5代目シルビアは走り好きだけでなく女性にも好まれ、いわゆる「デートカー」としての一面もあります。
すべてを刷新した美しいボディに高性能なエンジンを組み合わせたことで、幅広いユーザー層に支持され、大ヒットへとつながりました。
1993年には6代目の「S14型」にバトンタッチし、1999年にはシリーズ最終モデルとなる「S15型」が登場。どちらもS13型からキープコンセプトとなっていましたが、クーペ人気の低迷からS13型ほどのヒット作にはなりませんでした。
生産終了から30年近く経つ今もS13型は人気が高く、多くのユーザーから愛されています。
CAツインカムの赤いタペットカバーはかっこいいよね、自分はU12系ブルーバードのシングルカムが走りでは好きだったな。
S13シルビアは外見もそうだけどメーター周りも気取りが無くて丁度良いデザインで嫌味が無い。