ホンダが車中泊需要に本気!? 「N-VAN」に次ぐキャンプビジネスへの取り組みとは
多彩な情報発信としっかりとした情報分析
ホンダのキャンパービジネス戦略をさらに深堀してみましょう。
前述のように、ウェブサイトなどを使った緻密なマーケティングに特徴があります。主体となるのが、その名もズバリ「Hondaキャンプ」です。
開始時期は2010年3月で、ウェブコンテンツとして開始し、各領域の専門家と相談しながら記事を追加し更新しています。
そうしたなかで、商品軸以外でもユーザーとの接点を継続的に持てるということが非常に重要だという認識があり、「例えば、車種ページご訪問者に比べて、クルマへのご関心がそれほど高くない方や他のメーカーのクルマにお乗りの方も、これらのコンテンツに多くご来訪頂いております」という一般メディア化という側面があるといいます。
Hondaキャンプ以外にも、「Honda釣りクラブ」「Honda Dog」そして「Honda GOLF」といった多彩なウェブコンテンツを運営しているのがホンダの他社と違う大きな特徴でしょう。
実際の運用については、ホンダ車を使ったアウトドアの楽しみ方などソフト情報はホンダ本社が制作して情報発信しています。
また、またユーザー向けのアウトドアイベントについては、現在では用品装着したホンダ車を展示して紹介するためホンダ本社と連携してホンダアクセスとして出展する場合が多いそうです。
そうしたなか、先日バーチャルのみ開催となったオンラインオートサロン2021(バーチャル開催)出展車の狙いについては「ホンダが目指していること=お客さまの生活の可能性を拡げていくこと、です。
『もっとこういった使い方ができる』、『こんなところまで行ける』という点を、FIT e:HEV クロスター カスタムとN-VANカスタムで提案しました」といいます。
両モデルとも量産の予定はないとのことですが、N-VANカスタムでは、「ホンダ特設ウェブサイト内でテーブルの図面を公開しており、ユーザー自身でのカスタムは制作可能です」というホンダ独自の提案を試みました。
最後に、今後の事業の可能性について聞きました。なかでも気になるのがミニバン向けです。
これについて「今後の機種で現時点において具体的に言及できるものはありませんが、すでに『フリード+』ではほぼ平らになる荷室部分を使った車中泊の提案はおこなっており、そのフィードバックも参考に、今後の開発過程でこのような用途またはそれに適したシートアレンジ・積載性・給電機能等が考慮される可能性はございます」ということで、ユーザーにとって期待が持てそうです。
加えて、トヨタなどで近年始まった、販売店が企画する新車保証の範囲でのコンプリートカー・キャンパーで、ホンダはどうするのかが気になります。
この点については「ホンダは工場出荷及び納車時点の車両状態をお客さまにとって最良のものとすべく事業に取り組んでおり、お客さまのこまかなニーズに対応すべく、純正アクセサリーを数多く展開しています。
新車保証の範囲で考えると、これらの純正アクセサリーでカバーしていくことになります。(多くの社外品は新車保証対象外になるため)販売店でも、アウトドアを訴求ポイントとして使うことは多いですが、キャンパーとしてコンプリートカーという形でおこなっているところは現時点ではないと思います」という回答を得ました。
ホンダのキャンパー事業、N-VANに加えて今後、ユーザーがあっと驚くようなベース車の登場に期待したいところです。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
ベースが市販のトラックやバンだから日本勢のキャンピングカーはどれも「ダサい」。傍から見ても"ヤドカリ"が無理して背負っている感が否めない。宿泊用の快適な装備をしるほど重量が増し、定員が乗ろうものならロクな走りもできない。さらに、断熱がなってないドアではエンジン切っての車内なら「テント」同様シュラフ着てねるのだろうか?もっとDadgeとか先輩国のクルマを学んで欲しい。
フリードクラスのN-vanが有ったらいいなぁ…。
3×7尺のベニヤが平積み出来るくらいの荷室の車があれば、タウンエース…どころかハイエース購入層も切り崩せると思うんだけどなぁ…。