年末年始に大雪予報も? 高速道立ち往生に遭遇したらどうするべきか
気象庁は年末年始(12月30日から1月5日)に、災害級の寒波襲来により大雪や大規模な交通障害が起こる恐れがあるとして注意を呼びかけています。2020年12月に発生した関越道大雪立ち往生の事例を踏まえて、万が一の大雪時にどのような対応をするべきか、をJAFに聞いてみました。
関越道の立ち往生 発生原因は?
2020年12月16日から19日にかけて発生した関越自動車道(以下、関越道)の大雪による大規模滞留について同月25日、NEXCO東日本が「関越道集中降雪による大規模滞留事象の時系列」を公表しました。
2020年から2021年の年末年始も大雪が予想されており、今回の関越道における約2100台の大規模滞留の事例をふまえた、大雪時の立ち往生現場に遭遇した際の対応にはどのようなものがあるのでしょうか。
今回、NEXCO東日本は発生から解除までの出来事を、時系列で公表しています。
その内容としては、まず、12月16日の17時52分頃に関越道の上り方面にて塩沢石打IC付近で大型車(タイヤ種別不明)の立ち往生(チェーン未装着)が発生し滞留発生したことが始まりとされています。
その後、上り方面に関して12月19日17時30分に湯沢ICから小出ICで、約55時間に及んだ通行止めが解除されました。
一方の下り方面に関しては、12月16日22時03分に湯沢ICから関越トンネルにおいて大型車の立ち往生(チェーン未装着)が発生し滞留が発生したことがきっかけです。
そして、12月19日21時30分に湯沢ICから月夜野ICの通行止めが解除され、約64時間に及ぶ立ち往生が解消されました。
この一連の報告を見ると、上下線ともに発生の原因は「チェーン未装着の大型車」が想定外の大雪のなか、立ち往生したことだと記されています。
NEXCO東日本では12月10日に大雪に対する「注意喚起」を実施し、12月16日に「出控え」をお願いする案内を出しましたが、「大雪特別警報」の発令や「大雪に対する緊急発表」はアナウンスされていなかったといいます。
というのも、12月11日時点での週間気象予測では湯沢ICにおける14日から17日(4日間)の累計降雪量は114cmを予測しており、これは12月として過去に経験のある予測であったため、警報を出すレベルではなかったとしています。
しかし、実際、4日間の積雪量は予測の約2倍となる200cm以上。湯沢町では過去最多となる24時間降雪量113cmを記録しました。
それにしてもなぜ2000台以上の滞留車両が発生したのでしょうか。この理由をNEXCO東日本では、以下のように検証しています。
「国道17号が通行止めとなっており同時の通行止めは避けたいと思っているうちに、関越道通行止めのタイミングを逃しました。
この間も、関越道では立ち往生車両の退出作業を継続していましたが、上りの勾配区間で立ち往生解消後も断続的に立ち往生が発生していました。
また滞留台数は現地からの情報やITVカメラで映る範囲で滞留位置を推定していましたが、実際の台数とかなりかけ離れたものになりました。
※ ※ ※
現場状況の台数計測には徒歩で向かいましたが、積雪が多く長時間を要してしまい、人員も不十分で正確な台数把握を行うことができませんでした」
なお、NEXCO東日本では今後の対応策を次のように挙げています。
・タイミングを逃さず、関係各所と連絡を取って早期の通行止め判断をおこなう。
・立ち往生車両の発生を抑制するために、大型車に対してチェーン装着指導を並行国道と高速道路で同時実施。
・正確な現場状況把握をおこなえるよう、常時巡回の強化や、本線Webカメラの増設(関越道当該区間)により監視体制をより一層強化し、滞留車両の台数を正確に計測する。
※ ※ ※
なお、今回の滞留車両に対しては、個々の判断のもとでクルマ車を降りて避難した人もいたそうで、自衛隊や新潟県は移動用のバスも用意していたといいます。
食料や水はNEXCO東日本や自衛隊が配布し、ガソリンは残りのガソリン量の少ないクルマから10リッターのガソリンが配られました。
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