最終型は最良型!? VW「ゴルフGTIパフォーマンス」に乗って感じた熟成味とは

ドイツ本国ではすでに8世代目となるVW新型「ゴルフ」が登場、さらに新型「ゴルフGTI」も発売されている。2021年には日本にもやってくるというこの時期に、あえて最終型ともいえる「ゴルフGTIパフォーマンス」に試乗した。ドイツ車ではよく“最終型が最良”といわれるが、実際にどうだったのか。モータージャーナリスト岡本幸一郎氏のレポートだ。

35扁平と薄いタイヤを装着するのにしなやかな乗り味

 本国ではとっくに新型「ゴルフ8」が登場し、すでに新型「ゴルフGTI」も出ていて、そう遠くないうちに日本上陸をはたすであろうこのタイミングで、あえて「ゴルフGTIパフォーマンス」をレポートしたい。

 ゴルフGTIには「TCR」というレース仕様の公道バージョンといえるストイックに性能を追求したモデルも存在したが、こちらGTIパフォーマンスはあくまでオンロードに主眼を置いた、ゴルフ7の集大成といえる高性能モデルだ。

VW「ゴルフGTIパフォーマンス」。試乗車のボディカラーはディープブラックパールエフェクト
VW「ゴルフGTIパフォーマンス」。試乗車のボディカラーはディープブラックパールエフェクト

 登場は2019年2月。通常のゴルフGTIに対して内外装の一部が専用の仕様となり、15ps増の245psに引き上げた最高出力と20Nm増の370Nmの最大トルクを発揮。トランスミッションには通常のゴルフGTIの6速から7速化したDSGを搭載するほか、足元にインチアップした19インチアルミホイールに低偏平のピレリPゼロを履いてDCCを標準装備し、ブレーキも強化するなど、走りに関しても小さくない変更が施されている。各部に配されたレッドのアクセントが目印だ。

 しっくりと体になじむマイクロフリースのシートの着座感も上々だ。エンジンは出力トルクが向上し、DSGが1速増えてギア比も変わったことで、アクセルワークに対する反応がゴルフGTIよりもだいぶ良くなっているように感じられた。ゴルフGTIでは空転を抑えるためか、もっと低回転域を絞られていたように記憶しているが、ゴルフGTIパフォーマンスではそこを詰めているようだ。

 アクセルを踏み増したときの加速フィールも、全体的にゴルフGTIよりも力強い。最近ではホンダ「シビック タイプR」やルノー「メガーヌ R.S.」など300psオーバーのFF車も出てきたことで、速さではゴルフGTIの存在感は以前より薄れてきたとはいえ、ゴルフGTIパフォーマンスは、「GTIに乗る醍醐味」を十分に味わえるものであることには違いない。

 驚いたのは快適性の高さだ。本当にこんなにペラペラなタイヤ(225/35R19)を履いているのかと思うほど、乗り心地はしなやかだ。低扁平タイヤの宿命といえる路面への当たりの硬さもなく、衝撃が伝わってこないほどだ。

VW「ゴルフGTIパフォーマンス」のタイヤサイズは225/35R19。試乗車はピレリ「Pゼロ」を装着
VW「ゴルフGTIパフォーマンス」のタイヤサイズは225/35R19。試乗車はピレリ「Pゼロ」を装着

 ドライブモードの選択により走り味は相応に変わるものの、しなやかさが損なわれることはない。コンフォートやエコも含めノーマル以下を選ぶと、このクルマがGTIであることを忘れるほど静かで乗り心地のよい快適なクルマになる。切る側も戻す側もピタッと一致した正確なステリングフィールも素晴らしい。

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