なぜ頻繁に実施? 高速道路の「集中・リニューアル工事」 区間昼夜問わず年中やる理由
高速道路では「集中工事」や「リニューアル工事」と題して、長期間、長区間にわたる車線規制をともなう工事が毎年のようにおこなわれています。昼夜連続で片側1車線規制が敷かれることもあり、時間帯によっては渋滞の原因にもなっています。なぜ、高速道路の工事は頻繁におこなわれるのでしょうか。
区間や時間がバラバラな高速道路の工事
日本全国を繋ぐ高速道路は、交通や物流の要となり人々の暮らしに重要な役割を担っています。一方で、年末年始やGWなどの大型連休では、40km以上といった大渋滞が問題化するなど常に関心を集めている存在です。
そんななか、東名高速道路など各路線では定期的に「集中工事」や「リニューアル工事」を実施していますが、なぜ頻繁に工事をしなければいけないのでしょうか。
2020年10月時点で実施中・予定されている主な工事として、NEXCO中日本管轄の東名高速ではリニューアル工事が9月7日から12月24日まで大井松田IC-清水JCT、集中工事が11月9日から11月28日まで東京ICから大井松田ICにておこなわれます。
集中工事とリニューアル工事の違いについて、NEXCO中日本の担当者は次のように説明します。
「集中工事は、道路を管理するために必要な工事や作業を、短期間に昼夜連続してまとめておこなうものです。
傷んだ路面の修復、強固なガードレールへの取り替え、道路の点検・補修、草刈りなどの維持作業など、安全にご利用いただくために必要な工事をまとめて短期間で、かつ多数の区間でおこないます。
とくに、集中工事は工事規制が集約化されるため、年間の工事規制回数や工事に伴う渋滞発生時間を大幅に減らすことができるのが特徴です。
この方式は、1988年に東名で初めて導入しましたが、以降、中央道や名神といった交通量が多く、工事規制による渋滞が多く発生する路線でも順次採用しています。1路線につき年1回を基本とし、極力この期間中に工事規制を集約するように計画しています。
一方、リニューアル工事は、道路構造物を安全にご利用いただき、高速道路ネットワーク機能を長期にわたり健全に保つために、再施工・補強する工事です。
橋の床版(しょうばん:舗装が載る道路の床板に当たる箇所)取り替えや、トンネルの覆工(ふっこう:工事用に空けられた穴を塞いでいる部分)を補強するなど、大規模な更新・修繕を数か月かけておこないます。
集中工事は工事規制が集約化されるため、年間の工事規制回数や工事に伴う渋滞発生時間を大幅に減らすことができるのが特徴です」
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このように集中工事・リニューアル工事ではその内容が異なるものの、高速道路上の交通を円滑にさせることや、安全に利用するために必要なものだといえます。
一方で、これらの工事期間中は長い区間で車線規制が敷かれることから、大規模な渋滞も予想されるため、NEXCO各社では事前に細かく渋滞予測を発表し、テレビCMなども使って広く迂回などを呼び掛けます。
また、集中工事は複数のインターチェンジ間をまたいだ工事となる一方、リニューアル工事では単一のインターチェンジ間に限定して工事がおこなわれる点なども、違いに挙げられるようです。
日本や台湾・タイの高速道路でも感じるのだが、欧州なんかに比べ、高速道路が後付けでかつ有料だから、どうしても一般道から一段上げた高架部分が多くなる。道路のメインテナンスが欠かせない。