発売から何年経っても魅力は色褪せない!? 優れたデザインの車3選
クルマの販売を左右する重要な要素のひとつは、外観のデザインです。デザインには正解が無いといわれますが、優れたデザインとは長い年月を経ても魅力が色褪せないものを指すのではないでしょうか。そこで、デザインが優れていると評されたクルマを3車種ピックアップして紹介します。
陳腐化していないデザインのクルマを振り返る
クルマが売れるか売れないかを左右する要素はいくつもありますが、なかでも重要なのが外観のデザインです。そのため、各自動車メーカーは優秀なデザイナーを雇い、時にはデザイン会社にも委託して、複雑なプロセスを経たうえで、デザインを決めます。
クルマに限った話ではありませんがデザインには正解が無いといわれ、優れたデザインというのは、何年経っても陳腐化しないことではないでしょうか。
たとえ大ヒットしたクルマでも、10年後、20年後に見ると、古臭いと思えてしまうこともあります。
そこで、何年経っても色褪せない魅力があるクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
●ポルシェ「928」
ポルシェ「911」といえば長い歴史のあるスポーツカーとして、誰もが知るクルマですが、過去に消滅の危機がありました。
そして、911の後継車として最有力だったのが1978年にデビューした「928」です。
928は911のRRと決別し、フロントに4.5リッター水冷V型8気筒エンジンを搭載。リアアクスルにトランスミッションを配置するトランスアクスルを採用したFRモデルです。
ボディは当時の911よりも遥かに大きく、やわらなか曲面で構成される美しいデザインの3ドアハッチバックで、ピュアスポーツカーというよりもグランツーリスモ=GTにカテゴライズされていました。
外観で特徴的なのがフロントフェイスで、ポップアップ式のヘッドライトを採用。非点灯時はフラットなノーズとなり、点灯時は911をイメージさせるフロッグフェイスになります。
流麗なフォルムは生産終了まで大きく変わることはありませんでしたが、フェンダーやバンパー、テールランプ、ドアミラーなどパーツごとにデザイン変更がおこなわれており、1995年の生産終了まで美しい印象を保っていました。
928はセールス的に成功したとはいえず、当初の目的だった911の後継車にはなりませんでしたが、記憶に残る1台です。
●ボルボ「850」
かつて、日本ではボルボのクルマというと安全性が高い代わりに、無骨なデザインというイメージがありました。しかし、そんなイメージを払拭したのが、1992年に登場したボルボ「850」シリーズです。
ボディタイプはセダンと、エステートと呼ばれるステーションワゴンの2タイプが設定されており、伝統の鋭角的な直線基調を引き継ぎながらも洗練されたデザインで、シンプルな意匠ながら機能美に通じる美しさがありました。
パワーユニットは、ポルシェによって設計されたオールアルミの2.5リッター直列5気筒DOHC20バルブエンジンとなり、このエンジンをフロントに横置きに搭載するFFを採用。
1993年に追加されたステーションワゴンの「850エステート」は、スタイリッシュなデザインと広い室内空間から人気となり、1990年代のステーションワゴンブームという背景もあって、大型ワゴン市場を席巻しました。
そして、デザインとパッケージング、性能が高く評価され、輸入車としては初となる「1994年度グッドデザイン大賞」を受賞。
現在、ボルボ・カー・ジャパンによって、850シリーズのレストアサービスがおこなわれており、長く愛されています。