格安EV発表のテスラに追い風か? カリフォルニア州のガソリン新車販売禁止の真相とは
EVメーカーのテスラは、約265万円のお手頃な新型EVの計画を明らかにしました。また、同時期にカリフォルニア州知事が「2035年を目途に州内でのガソリン車の新車販売を禁止する」と発表しましたが、これはEVにとっては追い風となりうるのでしょうか。
テスラが新EV発表! 約265万円の格安EVとは?
テスラが2万5000ドル(約265万円)の新型EVを2023年頃を目途に発売する計画について、同社のイーロン・マスクCEOは2020年9月23日に開催した第22回テスラ株主総会で明らかにしました。
テスラのアメリカでのラインナップは、ラグジュアリー系の「モデルS」と「モデルX」、コンパクト・ミッドサイズ系の「モデル3」と「モデルY」の合計4モデルが販売されています。
将来構想としては、大型輸送トラックの「SEMI」などの商用車と、ピックアップトラックの「サイバートラック」がコンセプトモデルとして公開済みです。
これらに加えて、新たに2万5000ドルモデルが加わることで、自動車業界で販売台数が多い、いわゆるマスマーケットへも本格参入し、大手自動車メーカーのようなフルラインナップ化が実現することになります。
マスクCEOは「これまでスポーツカーやプレミアムセダンなどを導入してきましたが、会社創立以来、私の夢はアフォーダブル(手頃な価格)なEVでした」と2万5000ドルの新型EVを紹介。モデル名称は今回、公表されていません。
2万5000ドルというと、エントリーモデルである「モデル3」のベースグレードが北米では約3万8000ドルですから、それよりも35%も安くなります。
その背景にあるのは、単なる量産効果だけではないようです。
テスラの発表によると、2万5000ドルモデルが実現可能となるには、さまざまな変革が必要だといいます。
具体的には、リチウムイオン二次電池の基本設計の見直しや使用する材料の最適化、それにともなう車体の前後部分に採用する大型の鋳造部位の導入、さらには最終組立工程の見直しによる工場のサイズダウンなどを挙げています。
電池の単体であるセルについても、新設計となります。モデルSやモデルXで採用した直径18mm×長さ65mmの18650型や、モデル3から採用を始めた直径21mm×長さ70mmの2170型に比べて、出力やエネルギーが大きな直径46mm×長さ80mmの開発を進めています。
なおかつ2万5000ドルのモデルでは、ほかのモデルよりも廉価な材料を採用してコストダウンを狙っているのです。
総合的な見地から「(いまから)3年以内には新しい製造体制が稼働できる予定」という解釈であり、現時点で2万5000ドルモデルの2023年発売が確定しているわけではありません。
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