いま見ると妙にカッコいい!? 1980年代デビューのハッチバッククーペ3選
近年はSUVやミニバン、コンパクトカー、軽自動車が、各メーカーの主力商品となっており、それ以外のラインナップは縮小傾向にあります。なかでも顕著なのが3ドアハッチバッククーペで、いまでは高性能かつ高額なモデルがわずかに販売されている状況です。そこで、かつては若者の愛車として定番だったハッチバッククーペを、3車種ピックアップして紹介します。
1980年代に途上したスタイリッシュな3ドアハッチバッククーペを振り返る
現在、各自動車メーカーの主力商品といえば、SUVやミニバン、コンパクトカー、軽自動車などで、それら以外のモデルは縮小傾向にあります。
そのなかでも、1990年代をピークに急激に数を減らしてしまったのが3ドアハッチバッククーペで、現行では高性能で高額なモデルがわずかに生き残っている状況です。
一方で、1980年代には若者が乗るクルマとして、ホンダ「シビック」やマツダ「フェミリア」などの2BOXハッチバックか、3ドアハッチバッククーペが定番で、どちらも高い人気を誇っていました。
そこで、いまでは見られなくなったコンパクトな3ドアハッチバッククーペを、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「サニーRZ-1」
日産は1966年に、マイカー時代到来に歩調を合わせるために、大衆車の「サニー」を発売。2代目からは早くもスポーティなモデルを加え、代を重ねました。
1985年に登場した6代目では、特徴に乏しかった先代からデザインを大きく変え、直線基調のシャープなデザインに一新。
当初、6代目サニーのボディバリエーションはセダンと2BOXの3ドアハッチバック、ステーションワゴンで、どれもフロントまわりのデザインは共通とされていました。
そして、1986年にスラントノーズとウエッジシェイプが強調されたデザインの、3ドアハッチバッククーペ「サニーRZ-1(アールズィー・ワン)」を追加ラインナップ。
フロントフェイスもRZ-1専用のデザインとされており、他のモデルとの差別化が図られています。
当初、搭載されたエンジンは、自然吸気とターボの1.5リッター直列4気筒SOHCで、発売から数か月遅れて、1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載した、スポーティグレードもラインナップされました。
RZ-1は個性的なルックスで人気となっただけでなく、NISMOバージョンを展開するなど、若いユーザーへ訴求することでサニーに対するイメージアップに貢献し、セダンや3ドアハッチバックも同時にヒットします。
1990年に7代目が登場するとボディバリエーションの整理がおこなわれ、オーソドックスなセダンのみとなり、サニーRZ-1は一代限りで生産を終えました。
●スバル「レオーネRX/II」
意外と知られていないのが、1989年にスバル初代「レガシィ」、1992年に初代「インプレッサ」が発売された後も、1994年まで「レオーネ」(セダンとバン)が併売されていたという事実です。
レオーネは1971年にデビューし、水平対向4気筒エンジンを搭載したFFの2ドアクーペから始まり、後に、FFのメリットを活かした広い室内のセダンやステーションワゴンがラインナップし、スバルの一時代を築きました。
1984年に4ドアセダンが3代目にモデルチェンジされると直線基調のシャープな外観となり、1985年には3ドアハッチバッククーペの「レオーネクーペ」が登場。
レオーネというとセダンと「ツーリングワゴン」のイメージが強いのですが、初代から一貫してクーペをラインナップしています。
1986年には1.8リッター水平対向4気筒ターボエンジンと、舗装路での走行性能を重視したスバル初のフルタイム4WDシステムを搭載した「レオーネRX/II」が追加ラインナップされました。
前後駆動力配分は50:50を基本とし、低重心の水平対向エンジンと強化された専用サスペンションとの組み合わせで、高いコーナーリング性能と安定した走りを実現。
外観も車体の全周にわたってエアロパーツが装着される、いわゆる「フルエアロ」を採用することで、質実剛健なイメージが強かったレオーネを、華やかに演出していました。
しかし、前述のレガシィの登場とともに、クーペは廃止となり、RX/IIは短命に終わりました。ちなみにインプレッサにも2ドアクーペの「リトナ」が1995年に追加されましたが、すでにニーズが無く、短命におわっています。