トヨタ「ノア3兄弟」に異変!? エスクァイア販売減 統一はノアヴォクのどっち?
トヨタの人気ミニバン「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」。これまで、販売台数ランキングではそれほどまで大きな差は開いていませんでした。しかし、直近では、エスクァイアの販売台数が大きく落ち込んでいるといいます。今後、トヨタは車種の整理をおこなうことを明らかにしていますが、果たしてノア/ヴォクシー/エスクァイアで生き残るのはどの車種なのでしょうか。
不振のエスクァイア、どっちつかずで中途半端?
トヨタの人気5ナンバーミニバンである「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」は、それぞれが安定した販売を記録していました。
しかし、2020年5月におこなわれたトヨタの全店全車種併売開始により、その売れ行きに変化が起きているようです。どのような変化がノア三兄弟にあったのでしょうか。
ノア/ヴォクシー/エスクァイアは、2014年に現行モデルが登場。一部グレードをのぞき5ナンバーサイズに収まる扱いやすいミニバンとして知られていました。全店全車種併売が開始される前は、ノアはカローラ店、ヴォクシーはネッツ店、エスクァイアはトヨタ店とトヨペット店で販売されていました。
パワートレインなどの基本性能は共通し、違いがあるのはエクステリアやインテリアなどのデザイン面です。
また、エスクァイアはやや高級志向であるため、ノアやヴォクシーと比べると価格設定が高くなっています。
2020年に入ってからの売れ行きでは、上半期(1月から6月)の新車販売台数で、もっとも売れたのはヴォクシーの3万3818台(13位)、次いでノアが2万647台(16位)、そしてエスクァイアが1万6095台(23位)。3車種それぞれ高順位を記録し、合計で7万560台を販売しています。
しかし、7月の結果はこれまでと異なる数字となっています。三兄弟トップはヴォクシーで5316台(11位)、次いでノアが4067台(15位)、そしてエスクァイアが1909台(29位)となりました。
ヴォクシーは好調をキープしていますが、ノアはこれまでと同等か若干の減少、そしてエスクァイアは順位が大きく落ち込んでいます。なぜ、三兄弟の販売台数に差が広がっているのでしょうか。
まず、エスクァイアの伸び悩みについて、地方のトヨタ販売店スタッフは以下のように話します。
「ファミリー層を中心に5ナンバーミニバンは人気がありますが、5月から全国の販売店で全車種を取り扱うようになってから、販売状況に変化が見受けられます。
とくに、高級志向のエスクァイアは、併売開始された『アルファード/ヴェルファイア』の3ナンバーミニバンに押され気味な印象を受けます。
エスクァイアのデザイン性を好むお客さまはいらっしゃいますが、より高級を好む人は内装が豪華な方を選ぶうえに、広い駐車場を持っている人が多く3ナンバー車でも大きな影響はありません。
実際に、コンパクトで価格もおさえたいならノアかヴォクシー、存在感があり高級志向ならアルファードかヴェルファイアというお客さまにはっきり分かれている印象です」
トヨタ内の5ナンバーミニバンでは高級、しかしアルファード/ヴェルファイアと比べれば今ひとつのエスクァイアは、ターゲットを絞りにくい状態になっているようです。
それぞれのエントリーグレードの価格は、ノアは255万6400円、ヴォクシーは281万3800円ですが、エスクァイアは296万3400円と300万円近くとなり、アルファード/ヴェルファイアは352万円です。
ノアとアルファード/ヴェルファイアに上下50万円の差があるため、下を見ればノアに好きなオプションを付ける、上を見れば憧れのアルファードまで頑張るといった選択肢も出てきます。
丁度良いミニバンとして人気を集めた三兄弟の高級志向向けとなるエスクァイアは「中途半端」な位置付けを余儀なくされているようです。
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