偉大な足跡を残した小さなクルマ 初代「ヴィッツ」を振り返る
スポーティモデルに燃費スペシャルも登場
滑り出し好調だったヴィッツは、早くも1999年8月にはラインナップを拡充します。
まずは88馬力を発揮する1.3リッター直列4気筒エンジンを搭載したモデルが追加され、余裕のある走りを実現。同時に4WDも設定されました。

また、1.3リッターモデルに先んじて発売された「ユーロスポーツエディション」があり、上級グレードの「U」に欧州仕様のサスペンションとスタビライザー、14インチタイヤとアルミホイールなどを備えたスポーティなモデルで、インターネットのみの販売とユニークな取り組みがおこなわれます。
そして、欧州ではフランス工場でも生産され、2000年には日本メーカーとしては史上2番目となる「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。「1999-2000年 日本カー・オブ・ザ・イヤー」の受賞と併せ、ダブルタイトルを獲得する快挙を成し遂げました。
その後2000年には、最高出力110馬力を発揮する1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載した「RS」を発売。940kgの車体に、サスペンションは専用にチューニングされて前後にスタビライザーを備え、4輪ディスクブレーキがおごられるなど、欧州テイストのホットハッチに仕立てられています。
また、RSは1.3リッターモデルにも設定され、より軽量な車体に使い切れるパワーという組み合わせも魅力的でした。
2001年にはアイドリングストップ機能を装備する「1.0Bエコパッケージ」を発売し、5速MTのみの「燃費スペシャル」として10・15モード燃費で24.0km/Lを達成。
スポーティモデルとエコなモデルという、盤石なグレード設定がおこなわれました。
2001年にはマイナーチェンジをおこない、ヘッドライトを含めフロントフェイスが刷新されます。
そして、2003年にはトヨタのレース活動のサポートや特装車を製作するトヨタテクノクラフト(現トヨタカスタマイジング&ディベロップメント)から、ターボを装着した「ヴィッツRSターボ」が登場。
1.5リッターエンジンは最高出力150馬力を発揮し、往年の「じゃじゃ馬」ターボを彷彿させるパワフルさで、過激なモデルとなっています。なお、後にTRDから同仕様のターボキットも発売されました。
こうして、さまざまなモデルが存在した初代ヴィッツは、2005年2月に2代目のデビューによって販売を終了。2代目からはボディも大きくなり、より実用的なコンパクトカーとなりますが、初代の優れたパッケージングとデザインは、後年も高く評価されています。
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2020年2月にヴィッツはフルモデルチェンジがおこなわれ、車名をグローバルで統一するヤリスに改められました。
初代ヴィッツと同様に、新生ヤリスは新世代のコンパクトカーとしてスタートするために、車名を変えたといいます。
実際にヤリスは世界トップレベルの低燃費を実現し、先進安全技術も新世代へとアップデートされ、スーパースポーツモデルの「GRヤリス」が設定されるなど、トピックスが満載です。
一方で、初代ヴィッツの根底にある優れたパッケージングや、品質、十分な装備、そして安価な価格設定は、ヤリスにも受け継がれています。
Writer: くるまのニュース編集部
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