偉大な足跡を残した小さなクルマ 初代「ヴィッツ」を振り返る
トヨタのコンパクトカー「ヴィッツ」は、1999年のデビューから21年が経ちました。初代はコンパクトカーのクオリティを一気に高めたモデルとして注目され、同クラスのベンチマークとなりました。そこで、初代ヴィッツを振り返ります。
世界のコンパクトカー市場に影響を与えた初代「ヴィッツ」
1999年にトヨタは、人気のコンパクトカー「スターレット」の後継車種として、初代「ヴィッツ」を発売しました。当時のFFコンパクトハッチバックは、ベーシックカーとしての質よりも安さが優先される傾向にありましたが、ヴィッツの登場で世界が変わったと、現在も語り継がれる存在です。
そこで、偉大な足跡を残した初代ヴィッツを振り返ってみます。
初代ヴィッツは、次世代のコンパクトカー、そして世界戦略車としてプラットフォームをはじめ、基本コンポーネントのすべてが新開発されたモデルです。
1998年のパリモーターショーで「ヤリス」の名でデビューし、1999年1月に日本国内で発売。
ボディサイズは全長3610mm×全幅1660mm×全高1500mm、ホイールベースは2370mmと、現在の水準からするとかなりコンパクトで、欧州ではAセグメントに属すモデルでした。
ボディタイプは3ドアハッチバックと5ドアハッチバックの2種類で、ボディサイズはどちらも同じ設定です。
車重はメイングレードの「F 5ドア」が840kgと軽量で、すべてのグレードが800kg台を達成。
発売当初は70馬力の1リッター直列4気筒エンジンのみで、トランスミッションは5速MTと4速ATを設定。決してパワフルではありませんが、この軽量な車体には、十分なパワーとなっています。
外観のデザインは曲面を多用して丸みを帯びた張りのあるフォルムで、小さいながらも安定感のある印象です。
優れたパッケージングで、クラスを超えた広い居住スペースと荷室を確保した室内は、外観と同様に曲面を多用したセンターメーターを配したインパネが特徴で、収納スペースも多く、実用的かつ機能的なデザインとなっています。
前述のとおり新開発されたプラットフォームは、フロントがストラット、リアがトーションビームというコンパクトカーでは標準的なサスペンション形式を採用し、上質な乗り心地と優れた走行安定性の両立が図られました。
また、10・15モード燃費で22.5km/L(「B」5MT車)と、クラストップの低燃費を誇り、価格(消費税含まず)は83万円から、量販グレードでも92万8000円とリーズナブルで、高い経済性から日本のみならず、欧州でも大ヒットしました。
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