車も定額で乗る時代! カーリースとは何が違う? メーカー系「サブスクリプション」の特徴

新しいクルマの利用法として、昨今注目されている定額制サービス「サブスク(サブスクリプション)」。いまでは多くの自動車メーカーが参入し、なかでもホンダとボルボの好調ぶりが伝えられます。現在利用できるさまざまな「サブスク」を、メーカーごとに紹介します。

1台に乗り続けるか、複数台を乗り継ぐか、サブスクなら可能!

 動画配信や音楽配信でお馴染みの定額制サービス「サブスクリプション(通称:サブスク)」が、最近は自動車業界でも盛んになってきています。

 日本ではガリバーの運営会社であるIDOM(イドム)が2016年に提供開始した「定額制クルマ乗り換えホーダイサービス“NOREL(ノレル)”」が最初で、少し遅れて自動車メーカーも参入。

サブスクはウェブで申し込み可能 自宅にいながら車の契約ができる(イメージ)
サブスクはウェブで申し込み可能 自宅にいながら車の契約ができる(イメージ)

 トヨタの「KINTO(キント)」をはじめ、ホンダや日産など国産車メーカーに加え、ボルボといった輸入車メーカーまでもサービスを開始しています。

 自動車におけるサブスクも、音楽配信などと同じように月額料金でクルマを利用できるというサービスですが、普通に購入するケースとの一番の違いは、メンテナンスや税金、保険料といった諸費用が月々の支払いに含まれることと、最終的に車両は自分の所有にならず返却することです。

 以前からある「カーリース」とほぼ同様のシステムですが、カーリースはどちらかといえば法人を対象としたサービスです。

 一方で、サブスクは個人がより利用しやすいよう、利用料に含まれる範囲が広かったり、頭金が不要だったり、あるいは契約をスマホやPCで進められるなど、手軽さが魅力となっています。

 そして、そうした細かい条件や申し込み方法がメーカーごとに異なり、ライバルとの差別化が図られています。いったいどういったところが違うのか、それぞれの特色をチェックしてみましょう。

●トヨタ「KINTO(キント)」

 トヨタファイナンシャルサービスと住友三井オートサービスにより、2019年1月に設立された「株式会社KINTO」が提供するサブスク型のサービスです。

 同社が展開するプランは、3年、5年、7年のうちから利用期間を選び、トヨタ車、あるいはレクサス車(3年契約のみ)に乗る「KINTO ONE(キント・ワン)」と、3年で3台もしくは6台のレクサス車を乗り継ぐ「KINTO FLEX(キント・フレックス)」があります。

 どちらのサービスも月々の利用料には、車両代とオプション代、税金、諸費用、メンテナンスと故障修理費に加え、車両保険付きの任意保険まで含まれています。

 さらに、5年と7年契約の場合は車検代もコミコミなので、利用期間中は駐車場代と燃料費などしか必要としないというのがセールスポイントです。

 利用期間は最低3年ですが、いつでも解約可能です。ただし、解約金として6か月ごとの残利用料+追加精算金が必要で、解約の申し出は解約希望日の30日前までとなっています。

 例外として、死亡、免許返納、海外転勤などが理由の場合は中途解約金が不要です。

 月間走行距離制限は1500kmで、超過した場合はトヨタ車が11円/km、レクサス車が22円/kmの精算額が必要になりますが、月ごとにチェックするわけではなく、車両の返却時の積算距離で精算します。

 申し込みはウェブから可能で、審査通過後は正式契約を含め、やりとりは会員専用サイトでおこないます。販売店でも契約できますが、KINTOを利用するユーザーは若い世代が多いことから、ウェブでの申し込みの比率が高いようです。

 KINTO ONEは豊富なラインナップが魅力で、3年契約の均等払いでの最安値は「パッソ」の月額3万2780円から、7年契約でボーナス月の支払額を11万円に設定すると、月額はわずか1万1220円からです。

 なお、同サービスを再度利用する乗り換えでは、一定の期間を過ぎている必要はありますが、中途解約金より大幅に安い手数料で対応しています。

 KINTO FLEXに用意されるレクサス車は全6車種(2020年6月上旬現在)。月額19万8000円で半年ごとに3年間で6台を乗り継ぐ「3年6台プラン」と、月額17万6000円で1年ごとに3年間で3台を乗り継ぐ「3年3台プラン」を設定。

 なお、両プラン間の変更、並びにKINTO FLEXからKINTO ONEレクサス車への変更は、中途解約金は不要です。

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