F1技術でFF車世界最速へ「シビックタイプR」限定モデル登場間近!? レースとホンダの繋がりとは

新型コロナの影響を受け延期されていたF1の2020年シーズン開幕が、2020年7月5日に決まりました。そして、同じく新型コロナの影響を受けたホンダ「シビックタイプR」の限定モデルも、発売に向けて新たな動きを見せています。ホンダのレーシングスピリッツを象徴するこれらのトピックには、どのような繋がりがあるのでしょうか。

ホンダF1はPU「スペック1.1」で2020年シーズンをスタート

 2020年シーズンのF1開幕と、ホンダ「シビックタイプR」限定モデルのティザー動画公開。ともに新型コロナウイルスの影響を受けたこれらの出来事が、まるで同調するかのようにどちらも動きはじめました。

 ともに仕切り直して「さあ本番」といったところでしょうか。F1活動と量産本格スポーツモデルという、ホンダのレーシングスピリッツを象徴するこれらのトピックには、どのような繋がりがあるのでしょうか。

ホンダ「シビックタイプR リミテッドエディション」
ホンダ「シビックタイプR リミテッドエディション」

 まずは、F1開幕についてです。欧州オーストリアGPで、ついに2020シーズンが2020年7月5日に開幕します。オーストリアGPといえば、ホンダが2019年シーズンに実に13年ぶりの優勝を果たした験のいい場所です。

 2020年シーズンもレッドブル、また昨年のトロロッソから改名したアルファタウリの2チーム4台体制で参戦します。

 本田技術研究所 HRD Sakuraセンター長で、ホンダF1 PU(パワーユニット:エンジンとエネルギー回生システムを組み合わせた動力源)開発総責任者の浅木泰昭氏は6月22日、シーズン開幕を控えて報道陣向けにオンラインでおこなった「ホンダF1 2020年シーズンプレビュー」のなかで、「シーズンチャンピオンを狙う。そのなかで、(2019年シーズンに接戦が多かった)メルセデスと互角の戦いを勝ち抜きたい」と抱負を述べました。

 F1 2020年シーズンは3月のオーストラリアGP開幕直前に、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮してレースが急遽キャンセルになって以来、第10戦までが中止、または延期となる異例の状況です。

 6月中旬時点で、オーストリアGP以降の8戦が欧州ラウンドとしての開催が決定。1987年以来毎年開催されてきた日本GPは中止になるなど、シーズン後半の開催日程は未定となっています。

 当初、ホンダは2020シーズンを通じて、「スペック1」から「スペック3」の3タイプを投入する予定でしたが、開幕延期となり、初戦オーストリアでは、ホンダが「スペック1.1」と呼ぶ仕様を投入します。

 2019年の場合、「標高が高い地形なので、ホンダジェットの技術を応用した我々のターボ性能が活きた」と振り返ります。

 こうしたF1での技術は、量産車にどのようにフィードバックされているのでしょうか。

 浅木氏は、まずは電動化技術を挙げました。現在のF1レギュレーションでは、量産車のようにエンジンのクランク軸上にあるモーターによるアシストをおこなう、「MGU-K」の技術がハイブリッド車やEVなどのモーター、そして電池の技術に役立つと指摘します。

 さらに、排気エネルギーを活用する「MGU-H」から、量産車のターボにフィードバックさせる技術があるともいいます。

 このほかにも、燃料系では量産車向けにはコストがかかり過ぎてできないことをF1でやっている、とするも、逆に量産車とは技術とコストでの乖離があるため、具体的なフィードバックは簡単ではないという見方も示しました。

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