コロナ禍でも電動車は上昇傾向!? 2020年4月欧州新車販売台数速報

自動車産業の世界的な調査会社であるJATOは、欧州の自動車市場についての最新レポートを公開しました。

2020年4月に欧州で登録された乗用車の17%が電動車

 自動車産業の世界的な調査会社であるJATOが、2020年4月の欧州新車販売台数速報を公開しました。

2020年4月欧州新車販売台数速報
2020年4月欧州新車販売台数速報

 速報によると、欧州新車市場は4月も着実な減少に直面する結果となっています。

 2019年4月は134万台あった新車販売台数が、2020年4月は29万2600台に減少。これは、1970年代以来、月次台数として最低水準で、世界3大市場(中国、北米、欧州)のなかでも、もっとも悪い結果です。

 この欧州の急激な減少を超えたのは、前年同月比100%の減少 を記録したインドのみでした。インドの年度累計販売台数は、JATOが1980年に調査を始めてから最低の結果となっています。

 JATOのグローバルアナリスト、Felipe Munoz氏は次のように述べています。

「世界中でおこなわれたロックダウン政策により、販売台数を大きく下げることになった。このシナリオに準備ができた自動車メーカーはひとつとしてなく、これほど大規模な危機となるとは想定できなかった。

 この逆境にあっての希望の光は、自動車メーカーが運営を見直し、もっと俊敏になるための機会を得ることができたということだろう」

 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための隔離政策は、すべての国でおこなわれた訳ではないため、販売台数が減少したタイミングも、その程度もそれぞれ異なります。

 例えば、スカンジナビア諸国では、人々は自由に移動することができたため、もっとも小さな減少となる37%減でした。

 対照的に、欧州主要5か国の内の4か国では、厳格なロックダウン政策の影響を受けて顕著な下げを記録。イタリア、イギリス、スペイン、フランスでの合計販売台数は、2019年4月の64万6000台から、1年後の当月は3万4000台にまで減少しています。

 しかしながら、自動車産業のすべての局面が、2020年4月に失速した訳ではありません。

 第1四半期に定着した全面的なロックダウン政策と、不穏な経済指標にもかかわらず、電動車は市場をけん引し続けており、市場全体の17%となる5万400台を売り上げました。

 販売台数は前年同月比で46%減少しているものの、その要因の大部分はハイブリッド車(HEV)の台数が66%減となる1万8900台となったことでした。

 ピュアEV(BEV)は、29%減の1万6700台でしたが、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)は7%増となる1万4000台となりました。

 Munoz氏は「電動車はすでに、2019年に残っていた小さな成長を促してきた。今年は、政府がいち早く人々と経済を守ろうと行動したため、そうしたインセンティブのおかげで、電動車はよりけん引力と注目度を獲得した。

 電動車はこれからの時代、消費者にとって、個人の移動手段としてもっとも好まれる選択肢となるだろう。電動車に重点的に投資してきた自動車会社は、これからの過酷な数か月間を切り抜けるのに、有利な状態にあるといえる」と説明しています。

 電動車のなかでも好調だったのは、フォルクスワーゲン「パサート PHEV」の981台、up!「BEV」の687台、ボルボ「V60 PHEV」の897台、「XC40 PHEV」の339台、アウディ「e-tron」の1289台、「A3 PHEV」の465台、フォード「プーマ(Puma)HEV」の1170台、フォード「クーガ(Kuga)PHEV」の753台でした。

 その他の主要な電動車の結果はそれぞれ、テスラ「モデル3」が37%減、ルノー「ゾエ(Zoe)」が47%減、ニッサン「リーフ」が56%減となっています。

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