なぜ日産はジュークで勝負せず? 新型SUV「キックス」を日本投入する狙いとは
2020年6月に、日産は新型SUV「キックス」を日本で発売する予定です。ひと足先に日本に導入されるモデルと見られるe-POWERを搭載した新型「キックス」がタイで世界初公開されました。では、同じサイズ感のジュークがある日本で、なぜ新型「キックス」を導入するのでしょうか。
日産新型SUV「キックス」とは
2020年2月以降、軽自動車の「ルークス」をはじめ、今年は日産から多くの新型車がデビューする予定となっています。
そして、次に登場するのがコンパクトSUVの新型「キックス」。日産には同じサイズ感の「ジューク」も存在しますが、欧州で発売されている新型ジュークではなくニューフェイスのキックスを国内導入する狙いには、どのような事情があるのでしょうか。
新型SUVキックスは全長4.3mほどのコンパクトなクロスオーバーSUV。2016年にブラジルで発売されたのを皮切りに、中国、アメリカ、カナダ、そして台湾などで販売されているグローバルモデルです。
タイでは2020年5月15日に大規模マイナーチェンジを受けた新型が発表され、日本以外では初導入となる「e-POWER(イーパワー)」の搭載が話題になっています。
また、インドでは1.3リッターターボエンジンを積んでひとまわり大きなモデルが用意されていますが、こちらはプラットフォームが異なるインド独自の仕様です。
興味深いのは北米におけるキックスの位置付けで、「ジュークの後継」とされています。ジュークもキックスと同じくコンパクトクロスオーバーSUVで、欧州ではフルモデルチェンジした新型モデルを販売中です。
しかし、興味深いことに新型ジュークは欧州だけの販売です。一方のキックスは「ジュークを販売していない地域のみで販売」となり、グローバル展開のキックスに対してジュークは欧州専用車となっています。
そして、その売り分けは日本にも及ぶ気配で、もうすぐタイで発表されたe-POWERを搭載する新型SUVキックスとして日本への導入がスタートする見込みですが、ジュークは新型にフルモデルチェンジすることなく日本市場から消えてしまう予定なのです。
ジュークは、モデルライフ前半は大ヒット車種となり一定の認知度を得たモデル。だから惜しまれる声や新型モデルを望む声も多く聞かれます。キックスへのバトンタッチの背景には大きな理由があると考えるのが自然といえるでしょう。
「真横からのシルエットを比べると違いが一目瞭然」
しかしキックスの側面写真が無いというちぐはぐさ