高性能車の証!? 前後で違う大きさのタイヤを履くメリット・デメリットとは?
四輪とも同じサイズのタイヤを履くクルマがほとんどななか、トヨタ「スープラ」やホンダ「S660」など、前と後ろのタイヤサイズが違うモデルが存在します。いったい何のためにそのようなことをするのでしょうか。
前後のタイヤが違うサイズのクルマがある!? 何のため?
クルマのタイヤは、前後左右すべて同じサイズを装着するのが基本です。実際、ほとんどのクルマは四輪とも同サイズなのですが、なかには前後でサイズの異なるタイヤを履いているクルマがあります。
「前後でサイズが異なる」といっても、ふたつのパターンが存在します。ひとつは前後のタイヤで太さが異なる「前後異幅」で、もうひとつは前後でタイヤの径(ホイールサイズ)が違う「前後異径」です。
どちらの場合も基本的に前輪よりも後輪が太く、あるいは大きくなっています。どうしてそのようなことをするのでしょうか。
タイヤを太く、大きくすることによるメリットは、グリップ力の向上です。つまり、少しでも強いグリップ力を求めているのです。
ならば前輪も同じように太く、大きくして、前後同サイズにすれば良いのではと思ってしまいますが、前輪は操舵の役目がありタイヤが左右に動くため、タイヤハウスに収まるサイズに限りがあります。タイヤがボディやサスペンションに干渉すると車検に通りません。
また、太いタイヤには空気抵抗や転がり抵抗の増加、重量増といったデメリットがあります。前輪では空気抵抗の影響が大きく、さらには最小回転半径が大きくなるといったマイナスもあるため、後輪だけをサイズアップするのです。
もちろん、後輪に装着するにしてもデメリットは変わりません。そのデメリットをメリットが上回るクルマ、言い換えれば、後輪に強いグリップを必要とするクルマが前後異サイズのタイヤを採用するのです。
タイヤのグリップは大きく分けるとふたつあり、ひとつは横方向のグリップで、コーナーを曲がるときに踏ん張る力(コーナリングフォース)です。もうひとつは縦方向のグリップで、エンジンのパワーを路面に伝えるための力。縦方向にグリップすることを「トラクションがかかる」と表現することもあります。
強いグリップを必要とするということは、この両方向の仕事が求められているわけで、後輪にエンジンのパワーが伝わって駆動する後輪駆動のクルマを指します。つまり、FRやRR、MRレイアウトのクルマで、さらにいえばハイパワーになればなるほどグリップ力が必要とされるのです。
ちなみに、前輪のグリップが後輪のグリップに負けるとコーナリング中に前輪が横滑りし、ハンドルの切り角ほどクルマが曲がらない「アンダーステア」状態になります。逆に後輪が前輪に負ければ後輪から滑り出す「オーバーステア」になり、最悪スピンしてしまいます。
ドライバーは思ったほど曲がらないとオーバースピードを感じ取り自然とアクセルを戻してグリップも取り戻しますが、後輪が予期せずに滑るとパニックになりやすい傾向があります。
いったんスピン方向にクルマが動いてしまうと、慣性の問題などで制御が難しくなります。グリップを取り戻したときにはクルマが見当違いの方向を向いていたりして、リカバリーはとても困難です。
そうしたこともあって、クルマのハンドリングは前輪のグリップが後輪よりちょっと弱い「弱アンダーステア」にセッティングされるのがもっとも安定性が高いとされ、理想といわれています。前輪の仕事量の多いFF車であっても前輪を後輪より太くしないのは、こうした理由もあってのことです。
ちなみに4WD車は前後同じタイヤを装着するのが一般的です。4WD車は前後左右のホイールの回転差をデファレンシャルギヤ(以下、デフ)でコントロールすることで、それぞれのタイヤが駆動しているにもかかわらずコーナーをスムーズに曲がれるように設計されています。
そのため前後でタイヤサイズを替えてしまうと、ズレた回転数を制御しようとデフが働きっぱなしになってしまいトラブルの原因になりかねません。そうしたトラブルを避けるために四輪とも同じタイヤを履いているのです。
太いタイヤにしたからといってグリップ力は変わりません。
↑ここが分かり易いです。
物理的には摩擦力(F)=摩擦係数(μ)×荷重(P)です。
接地面積は関係ないです。
最近ではそういうのをアンダーステアって言うんだ?
単に滑ってるだけじゃん
>太いタイヤにしたからといってグリップ力は変わりません。
ブレーキングスティフネスとかまったく知らない人なんだろうなあ。。。